山形県,新潟県及び秋田県で発生した Karp 型感染によるつつが虫病患者由来 Orientia tsutsugamushi 遺伝子の亜型分類を行った.30 人の患者血液から抽出された DNA を試料とし,nested-PCR で得られた O. tsutsugamushi の 56-kDa タンパク遺伝子のダイレクトシークエンスを行い,その解析を行った.30 例を解析した結果 27 例と 3 例の 2 つのグループに分類された.データベース株と比較したところ 27 例のグループはJ P-1 型に分類されるyeo-joo 株と,3 例のグループは JP-2 型に分類される CMM1,KNP1 及び KNP2 株とシークエンスが一致した.また,分子系統樹においてもそれぞれがクラスターを形成し,27 例のグループは JP-1 型,3 例のグループは JP-2 型に分類されると判断された.わが国では,JP-2 型が主流と考えられてきたが,この地域では JP-1 型が主流である可能性がある.今後,この株を分離し精査する必要がある.