経済地理学年報
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43 巻, 4 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
  • 原稿種別: 表紙
    1997 年 43 巻 4 号 p. Cover1-
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2017/05/19
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    1997 年 43 巻 4 号 p. Cover2-
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2017/05/19
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1997 年 43 巻 4 号 p. App1-
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2017/05/19
    ジャーナル フリー
  • 元木 靖
    原稿種別: 本文
    1997 年 43 巻 4 号 p. 229-245
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2017/05/19
    ジャーナル フリー
    わが国における水田農業地域再編成の傾向について, 水稲モチ栽培の面から資料整理を試みた. 従来水稲栽培というと, わが国ではウルチとモチを一体のものとみるのが一般的であった. しかし, 経済の高度成長期以降, とりわけ米の生産調整政策とその後の米流通の自由化の過程で, ウルチとモチの栽培は全国規模で地域分化を遂げるに至った. とくに, ウルチに比べて需要の少ないモチの場合, 作付面積が急速に減少する一方で, (1)日本列島の南北に発生した大規模なモチ栽培地域, (2)内陸山間部における複合的モチ栽培地域, (3)局地的なモチ栽培地域の, 3つの新しい産地の形成をみた. これら3類型の出現は, 米生産の経済的比重の高い水田地域のうち, 良質ウルチ米での市場対応が困難な地域が示した経営戦略, あるいは稲作の生き残りの手段としての意味を持つ. 新しいモチ産地形成に示された複数のタイプから, わが国の稲作が今後多様性を求めることの意義とその方向性についての示唆をくみ取ることができよう. こうした稲作地域を支援するためには, 食糧=経済政策的な観点と地域政策的な観点に分けた政策展開が, 今後重要になるものと思われる.
  • 塚田 章二郎
    原稿種別: 本文
    1997 年 43 巻 4 号 p. 246-261
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2017/05/19
    ジャーナル フリー
    この報告は大きくは次の2点から成り立っている. 第1には1960年代以降の日本の高度経済成長がもたらした農業と農村の大きな変化, 特に山間地を中心とした人口流出と農地荒廃化が危機的状況にあることを, 現場から提起することである. 第2には21世紀の食料に加え環境にも大きな役割を果たす, 農林業・農山村の復活に向けた, 新しい経営体である農業法人の動きを通して, 再生の可能性と条件を論ずるものである. まず, 農地の荒廃化について, 農業センサスの結果による「耕作放棄地面積」が用いられるが, これは調査上の約束で, 前回(5年ごと)の面積は加算されない. 開こん, 転用による耕地の増減を除くと, 荒廃化の実態は耕地面積の減少によって明らかとなる. そこで, 市町村別の土地のうちの田畑合計面積に対する経営耕地総面積をもって「農地有効利用率」とし, 農業生産性との関係を検討してその要因を明らかにし, 総合的な土地利用計画の重要性を訴えた. 次に, このまま推移すれば食料自給率の一層の低下だけでなく, 農林業のもつ公益的機能が失われ, 広く人間の生活をおびやかすことになる. 農業・農村の健全性を保つ新たな担い手として, 農業法人の設立状況を検討し, 特に企業的な大規模複合経営に注目して, 山間地における役割が多面的であることを紹介した. そして, 市町村による土地利用計画と外部支援体制, 国の農業条件不利地域対策を強く求めた.
  • 柳瀬 雄二
    原稿種別: 本文
    1997 年 43 巻 4 号 p. 262-275
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2017/05/19
    ジャーナル フリー
    戦後の日本の農業は手厚い保護政策を享受してきた. ことに, 「旧食管法」下の米作はその典型例であり, 1994年に「新食糧流通法」が施行され新しい制度に変わった今日でも, その本質には大きな変化がなく, 依然, 日本の農業は新しいあり方を求めてさまよい続けている. 今日の日本の農業を支えているのは, 現実には兼業農家である. 実は, ここに日本の農業の一番の問題点がある. つまり, 産業としての魅力が乏しいために新規参入者が極端に少なく, 就労者の新陳代謝が進まずに高齢化しているのである. ある産業に対していかに保護政策を採用したとしても, 自らが産業としての魅力を回復できない限り, その産業の将来はないであろう. 従来, 概して日本の農業者にマーケティングという発想は少なかった. さらに農業政策となると, マーケティングの発想はほとんど皆無であった. 日本の農業には「販売」という概念がなく, あるのは「出荷」という概念だけであった. 新しい日本の農業には, このマーケティングの発想がぜひ必要である. マーケティングの本質は需要(市場)創造にあるからである. ところで, 日本の農業者にもごく少数ながら企業家精神に富む人々がいるが, これらの人々はほぼ例外なく, かつては「異端視」されていた. しかし, 企業家精神に富む人々が絶えず注視していたのは市場であり, 市場の変化であった. つまり, マーケティングの実践者であった. これからの日本の農業では, この種の企業家精神から何かを学び, 農業分野での企業家活動にいかに自由度を与えていくかが, 自らを強くする手段として極めて重要である.
  • 鈴木 康夫
    原稿種別: 本文
    1997 年 43 巻 4 号 p. 276-292
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2017/05/19
    ジャーナル フリー
    本稿では, 阿蘇南外輪地域および九州山地を例として, 中山間地域における環境保全型農業の展開と農村の持続可能性について検討した. その結果, 以下の5点が明らかになった. (1)本研究対象地域では, 自立経営が確立できるほど商品生産型の有機農業は成長をみていない. 自立経営農家ほど農薬と化学肥料に依存した経営を指向している. (2)しかしながら, 地域資源を効果的に利用した伝統的な環境保全型農業が広く地域農家の間で存続している. 営農上の条件不利性を克服するために, 地域資源活用型の複合経営を確立してきた結果である. しかも, これによって地域の生態系や農村景観が保全されてきた. (3)農家経済的にみると, 環境保全型農業は土台のところで地域農家の経営基盤を支えてきた. それほど多額の収入と収益にはつながらないが, 低コスト化と経営を維持できるそこそこの収入をもたらしていた. なによりも「持続性」という観点では大きな機能を果たしてきた. (4)ところが, 近年の国際化・輸入自由化の波のなかで, その持続的機能は弱体化してきた. 複合経営中のいくつもの部門で価格低落が起こったためである. (5)こうしたなかで, 条件不利性を克服しながら確立した模範的な環境保全型農業は後退を余儀なくされている. 当該地域の一部では農家独自の「自助努力」的対応と行政の救済策に支えられて, かろうじて地域農業の崩壊をまぬがれている.
  • 石原 照敏
    原稿種別: 本文
    1997 年 43 巻 4 号 p. 293-304
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2017/05/19
    ジャーナル フリー
    先進国の条件不利地域では, 農業人口が減少し, 農地の存続が問題となるにいたっている. このことは, 環境保全・国土保全からみて, 地域の存立を脅かすほどの危機的状況といえるものであり, 早急に最適の政策が講じられなければならない. EUは, 農業が環境保全的機能をもつことを認めて, 条件不利地域の農業者に特別補償金を供与する直接所得補償を実施している. その結果, 条件不利地域に農業を維持することに一応は成功している. しかし, 維持されている農業が非生産的な小規模経営であること, 多額の財政負担を要していることなど問題も少なくない日本の中山間地域では, 放棄された農地を農業公社(第3セクター)によって保全している. 保全された農地を公共財とみなすならば農地保全の持続性を見込むことができるし, EUの直接所得補償と比べて, 財政負担が少ないので, 国民の合意が得られやすい. また, 兼業機会が多く, 農業の担い手が不足している日本では, 第3セクターによる農地保全が有効であるといえよう. なお, 第3セクターの経営のあり方については, 本稿では検討しなかったが, 問題がないわけでは決してない.
  • 原稿種別: 付録等
    1997 年 43 巻 4 号 p. 305-328
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2017/05/19
    ジャーナル フリー
  • 西野 寿章
    原稿種別: 本文
    1997 年 43 巻 4 号 p. 329-332
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2017/05/19
    ジャーナル フリー
  • 内藤 嘉昭
    原稿種別: 本文
    1997 年 43 巻 4 号 p. 332-334
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2017/05/19
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1997 年 43 巻 4 号 p. 335-347
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2017/05/19
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 目次
    1997 年 43 巻 4 号 p. 348-351
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2017/05/19
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1997 年 43 巻 4 号 p. App2-
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2017/05/19
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    1997 年 43 巻 4 号 p. Cover3-
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2017/05/19
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    1997 年 43 巻 4 号 p. Cover4-
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2017/05/19
    ジャーナル フリー
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