オレオサイエンス
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2 巻, 4 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
総合論文
  • 竹内 洋文
    2002 年2 巻4 号 p. 181-188,178
    発行日: 2002/04/01
    公開日: 2013/04/25
    ジャーナル フリー
    生体適合性に優れたリン脂質は医薬品製剤の素材として注目されている。特にリン脂質を構成成分とするリピッドベシクルはドラッグデリバリーシステム (DDS) において有用な薬物キャリアーとして期待されている。制癌剤を封入したリポソーム, 脂溶性薬物を封入したリピッドエマルションなど一部はすでに実用化されている。本論文では, より高機能化されたリピッドベシクルの開発を目的として研究されている表面修飾リピッドベシクルについて紹介する。これらの研究は, ペプチドの経口投与製剤, 血中長期滞留性キャリアーなどの開発に寄与すると考えられる。
  • 笠岡 敏, 丸山 一雄
    2002 年2 巻4 号 p. 189-195,178
    発行日: 2002/04/01
    公開日: 2013/04/25
    ジャーナル フリー
    リボソームは, 構成脂質やサイズのコントロールによって, 膜の電荷・温度感受性・pH感受性・融合能など, 様々な性質を付加することが容易である。このような膜の性質はDDSキャリアーとしての特徴, つまりキャリアー自身の生体内挙動に加え, 薬物の保持性, 放出性を決定づける一因となっている。生体内挙動は血漿蛋白質などのオプソナイズに大きく左右され, 膜の流動性の変化やPEG修飾により, コントロール可能である。薬物の保持性や放出性に関しても, 膜の流動性に左右され, 温度感受性リポソームなどの放出制御に利用されている。さらに, リボソームはアンチセンスやプラスミドのベクターとしても広く用いられているが, 細胞への導入効率にも膜の性質が大きく関わっている。膜表面に正の電荷を持ったカチオニックリポソームは, DNAのパッキング, 細胞膜への付着性を高め, 遺伝子導入の効率化が行うことができる。リボソーム膜に機能性を付加したpH感受性リボソームや膜融合リボソームも導入効率の低さを改良する重要なベクターである。今後, 生体膜研究の進展とともに, より最適化されたリボソームの開発が行われていくものと思われる。
  • 石井 文由
    2002 年2 巻4 号 p. 197-203,179
    発行日: 2002/04/01
    公開日: 2013/04/25
    ジャーナル フリー
    天然由来のリン脂質を乳化剤として大豆油や中鎖トリグリセライド (MCT) を水溶液中に分散させたo/w型エマルション製剤はリピッドエマルションと呼ばれる。このo/w型エマルションの油相に脂溶性 (水溶性の場合はプロドラッグとする) の薬理活性物質を包埋し, ドラッグデリバリーシステム製剤としてのリピッドエマルションが上市されてすでに10年以上が経っている。さらに最近では遺伝子デリバリーにおける製品化にも, その可能性が示唆されるようになってきた。
    そこで, リン脂質を利用した製剤のひとつであるリピッドエマルションの最新の興味ある話題を紹介していくことにしたい。
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