オレオサイエンス
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17 巻, 9 号
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特集総説論文
  • 高橋 正好
    2017 年17 巻9 号 p. 413-419
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/08/05
    ジャーナル フリー

    小さな気泡には興味深い特徴があり,応用面での展開も期待できる。マイクロバブルは水処理や半導体の洗浄,ナノバブルは農業や水産業などへの展開が可能である。直径が50 μmに満たないマイクロバブルは水中で縮小して消滅する。その時に活性種(フリーラジカル)を発生する。これを利用することで固体表面の洗浄が可能である。またナノバブルはマイクロバブルの残存物と考えられており,電解質イオンの殻で被われることにより安定化したものである。切削現場ではクーラント液として利用されており,副次的な効果として機械類の洗浄が確認されている。メカニズムの解明により洗浄技術としての発展が期待される。

  • 山口 庸子
    2017 年17 巻9 号 p. 421-426
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/08/05
    ジャーナル フリー

    オゾンや酸素などの気体を封入したファインバブル(以下,FB)水は過飽和の状態でより多くの気体を溶存することから,機能水として洗浄分野への活用が期待されている。特にオゾンFB水では,強力な殺菌効果が報告されており,塩素系薬剤に代わり野菜やトイレの洗浄などで実用化が始まっている。 本稿ではFB水の水系洗浄への導入に向けて,FB水の洗浄に関わる性能や洗浄効果について,モデル汚れの選定からATP(アデノシン三リン酸)を指標としたFB水の洗浄効果を解説する。さらに,オゾンFB水の衣類洗浄への応用として,オゾン濃度や界面活性剤との組み合わせ効果,オゾンFB水の汚れの除去効果について紹介する。

  • 榎本 一郎
    2017 年17 巻9 号 p. 427-432
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/08/05
    ジャーナル フリー

    繊維の染色加工にファインバブル及びオゾン・ファインバブルを利用した。ファインバブル水を用いた羊毛布の染色では,わずかではあるが染色時間の短縮と濃色化が見られた。羊毛布の精練では,オゾン・ファインバブル水を使うことで処理温度を低くし,かつ時間の短縮が図れた。綿布では,オゾン・ファインバブル水を利用して漂白できることがわかった。オゾンガスは低温水に溶解しやすいが,常温でもpHを5に保ち,電解質成分を0.03 mol/L程度添加することで従来と同程度の白色度を得ることができた。オゾン・ファインバブルによる漂白は常温で行うため処理水を加温する必要がなく,加えて使用する薬品の量を大幅に削減することができる,環境にやさしい処理方法といえる。

  • 天木 桂子
    2017 年17 巻9 号 p. 433-441
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/08/05
    ジャーナル フリー

    近年注目されているファインバブル水(マイクロバブル水およびナノバブル水)の特徴を,特に流動挙動に着目して検討した。その結果,せん段流や垂直流下では,通常の水に比べて流動時の抵抗が低い抵抗減少効果を有することが認められた。この挙動は,界面活性剤水溶液と類似しており,両者は,繊維間隙などの狭小空間を水に比べてスムーズに流れると解釈された。さらに,ファインバブル水の応用例として,布帛染色,特に草木染め(ハーブ染め)におけるファインバブル水の有効性を検討した結果,ファインバブル水を用いた場合,水に比べてより少ない回数で濃色に染めることができ,高効率,低エネルギー,低環境負荷に寄与する可能性が得られた。

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