オレオサイエンス
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18 巻, 12 号
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工業技術賞受賞総説論文
  • 宮原 令二
    2018 年18 巻12 号 p. 603-613
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/09/02
    ジャーナル フリー

    著者らは,水と極性油の両方に自由に溶解し,化学的に安定であり,プラスチックを溶解せず,界面活性剤ではないので皮膚刺激性がない油溶性湿潤剤としてポリオキシエチレンポリオキシプロピレンランダム共重合体ジメチルエーテル(EPDME)を設計し開発した 。また,EPDMEと非イオン界面活性剤で形成される特殊なマイクロエマルションを超微細乳化に活用し,従来は高エネルギーで長時間を必要としていた製造工程を室温撹拌のみで製造できるようにした。前記技術により,従来では出来なかった高分子化合物を超微細乳化物に内包させたり,紫外線吸収剤などの難溶性化合物を水に可溶化できるようになった。本技術に関して,概説する。

特集総説論文
  • 宇山 允人
    2018 年18 巻12 号 p. 615-618
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/09/02
    ジャーナル フリー

    カチオン性界面活性剤は衣類への柔軟効果,毛髪へのコンディショニング効果,帯電防止効果,殺菌効果など,それぞれの効果を活かした工業製品に汎用されている。またそれ以外にも有機変性の粘土鉱物に利用されると共に,メントール類縁物質の冷感効果を増強することも知られている。その一方で,一般的にカチオン性界面活性剤の人の肌に対する安全性は高くなく,用途が限られているのも事実である。そこで我々は比較的安全性が高いと考えられるジステアリルジメチルアンモニウムクロライド(DSAC)に着目した。従来DSACを配合した製剤はクリーム系か高濃度のアルコール系に限られていた。そこでDSAC含有の超微細エマルション製剤が開発できれば処方幅が広がると考えた。検討の結果,ポリオキシエチレン (POE)・ポリオキシプロピレン(POP)ランダム共重合体ジメチルエーテル(EPDME)を乳化助剤として用いることで直径30 nm程度の超微細エマルションを得ることに成功した。

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