オレオサイエンス
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3 巻, 7 号
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総合論文
  • 渡辺 利幸
    2003 年3 巻7 号 p. 339-345,338
    発行日: 2003/07/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    太古より生活の一部である洗濯。近世までは石鹸が, 戦後は合成洗剤がその脇役である洗剤として支えてきた。衣料用洗剤は身近な大量消費型化学製品であるがゆえに, 常に安全性や環境適合性の面で注目を集め, 都度, 技術革新により困難を乗り越えてきた。現在の主要成分とその開発の経緯について紹介する。さらに, 今後より洗練された品質とともに持続型社会への適合を求められる中で, 必要な要件について議論する。
  • 四方 資通
    2003 年3 巻7 号 p. 347-352,338
    発行日: 2003/07/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    この20年の問に洗剤を取り巻く環境は大きく変化し, 酵素は洗剤の重要成分としての地位を確立した。西欧では全洗剤の85%, 米国では80%, 日本ではほぼすべての洗剤に酵素が配合されている。1987年にアルカリセルラーゼ配合のコンパクト洗剤が登場するまでは, 主としてプロテアーゼのみが使用されていたが, それ以降はリパーゼやアミラーゼ, マンナナーゼも使われるようになり, 現在ではプロテアーゼと他の酵素を組み合わせて用いるのが一般的になっている。酵素には汚れを落とす作用に加え, 汚れの再付着を防止する効果もあり, 布地の白色度保持に重要な役割を果たしている。
    新しいベネフィットを提供する酵素の探索と並行して, 既存酵素の高機能化が最新のバイオテクノロジーを用いて活発に進められている。これまでに, タンパク質工学による漂白剤耐性酵素や進化分子工学による低温酵素などが創製され, 実用化されている。新規酵素としては, 衣類のケアや漂白, 殺菌効果のある酵素が注目されている。環境に対する配慮から, 将来は酵素を高濃度配合した洗剤や, 酵素のマルチブレンド化が更に進んだ洗剤が広く普及するのではないかと予想される。
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