日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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9 巻, 3 号
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会長講演
  • 福地 義之助
    原稿種別: 会長講演
    2000 年9 巻3 号 p. 259-263
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    呼吸管理に対する伝統的な考え方は疾患肺に対する呼吸機能改善のための治療と管理を目的とするものであった.本講演では新たな呼吸管理学とは,このような既存の志向に加えて,健常肺においても,それが環境を鋭敏に反映する臓器(Ecosensitive Organ)であることを考慮した,より良い呼吸(better breathing)を達成,維持することをも目標に取り入れるべきであることを強調した.その具体例として,老人肺における呼吸管理を代表的疾病について検討した成績を呈示した.

シンポジウム1
  • 藤島 一郎, 佐藤 一彦
    原稿種別: シンポジウム
    2000 年9 巻3 号 p. 264-265
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー
  • 堀口 利之
    原稿種別: シンポジウム
    2000 年9 巻3 号 p. 266-271
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    嚥下障害による栄養低下に対しては,一般に経鼻胃管,胃瘻や中心静脈栄養などが用いられている.しかし,経口摂取を禁じてもまだなお唾液の誤嚥による嚥下性肺炎の危険は残る.したがって,嚥下障害に対しては単に経口摂取を禁じて非経口の栄養路を求めるだけではなく,積極的な嚥下訓練や,場合によっては悪循環を断ち切る外科的治療が必要となる.現在行われている外科的治療について紹介する.

  • 松瀬 健
    原稿種別: シンポジウム
    2000 年9 巻3 号 p. 272-275
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    嚥下機能障害は,脳血管障害とりわけ皮質,皮質延髄路の障害によることが多い.しかし嚥下機能の高次中枢に関する研究はいまだ少ない.従来からの電気生理学的研究より,延髄網様体にある嚥下のプログラム形成器(CPG)が一連の嚥下運動を起こすのに重要とされてきた.最近CPGの上位中枢として脳の領域を同定する研究が進展している.また,嚥下機能障害を検出する方法として当施設が開発した2段階簡易嚥下誘発試験につき紹介する.

  • 丸茂 一義, 手塚 知子, 本間 請子, 福地 義之助
    原稿種別: シンポジウム
    2000 年9 巻3 号 p. 276-281
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    嚥下性肺疾患の発症,進展には誤嚥内容物の性質,易誤嚥性の程度,宿主側の条件(クラリアンス障害)の3要素が関係している.今回われわれは誤嚥性肺炎の臨床データに基づき胃食道逆流が嚥下性肺疾患に持つ重要性を,おもに上記の3要素のうち誤嚥内容物の性質と易誤嚥性の亢進の面から検討した.さらに嚥下誘発試験を通して呼吸と嚥下の関係について触れ,さらに臨床的対応についても言及する.

  • 半田 幸代
    原稿種別: シンポジウム
    2000 年9 巻3 号 p. 282-286
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    当院入院の摂食・嚥下障害患者は脳血管障害による機能的障害が主で,認知障害など複雑な要因が絡みあい,殊に難しいアプローチが要求されている.<br> 患者は食事ができないという現実から,生命維持への恐怖,疾患への不安,さらに人間の尊厳の喪失など心理的葛藤は,計り知れないものがある.そのうえ高次脳機能障害による影響が強く,誤嚥による危険性も増す.<br> 摂食・嚥下障害患者がもたらす問題として次の3点が考えられる.<br> ① 誤嚥性肺炎・感染・窒息<br> ② 脱水・低栄養<br> ③食べる楽しみの喪失によるストレス・患者,家族の不安や焦り<br>これらは相互に関連して,悪循環を繰り返すことが多い.<br> リハビリテーション領域においても,効率的なリハビリテーションを目指すうえから,摂食・嚥下障害は重要で課題も多い.<br> 摂食・嚥下障害におけるリスク管理,専門分化する他部門との連携,という視点からの看護の役割を考えたい.

  • 西尾 正輝
    原稿種別: シンポジウム
    2000 年9 巻3 号 p. 287-292
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    摂食・嚥下障害の治療・訓練は,おもにリハビリテーションと外科的治療に分けられる.本稿では,摂食・嚥下障害のリハビリテーション手技について包括的に概説した.摂食・嚥下障害の生理的過程は5期に分けられ,まず,それぞれの生理的過程ごとに述べた.次に,いわゆる間接訓練と直接訓練とに分けて述べた.

  • 神津 玲, 藤島 一郎, 小島 千枝子, 朝井 政治, 与古田 巨海, 大熊 るり, 中村 美加栄, 柳瀬 賢次
    原稿種別: シンポジウム
    2000 年9 巻3 号 p. 293-298
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    嚥下障害を合併する肺炎患者23例の呼吸予備能力および嚥下機能を評価するとともに,嚥下リハビリテーションの成績を検討した.その結果,本患者群は脳血管障害などを基礎とし元来のADLが低いこと,気道内分泌物貯留をきたしており,随意的な咳嗽能力とその喀出効果の低下によって特徴づけられた.また,チーム・アプローチによる嚥下リハビリテーションを実施した結果,嚥下機能とADLの有意な改善が得られ,肺炎再発率は17%であった.本患者群において嚥下リハビリテーションは好ましい影響を与える可能性が示唆された.

  • ―順天堂大学working group の活動から―
    宮下 暢夫, 佐藤 一彦, 榎本 冬樹, 平山 喜美子, 曽根 政富, 新保 松雄, 増田 稔, 小林 喜代恵, 福地 義之助
    原稿種別: シンポジウム
    2000 年9 巻3 号 p. 299-303
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    嚥下障害患者に対する診断と治療の包括的アプローチの方法を確立することを目的として,ワーキンググループを組織した.メンバーは院内関連各部局からのボランティアで構成されている.活動目標として(1)院内の誤嚥性肺疾患患者の実態把握,(2)嚥下障害評価のシステムの導入,(3)リハビリテーションプロトコールの確立,(4)看護プロトコールの確立,(5)栄養学的アプローチの5点を掲げ,これらの有機的連携を目指している.

シンポジウム2
ワークショップ
  • ―minimumからmaximumへのステップ―
    福地 義之助, 江藤 文夫
    原稿種別: ワークショップ
    2000 年9 巻3 号 p. 343-345
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー
  • 植木 純, 高橋 英気, 鈴木 勉, 福地 義之助
    原稿種別: ワークショップ
    2000 年9 巻3 号 p. 346-351
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    本邦においてもCOPDの包括的治療の必要性は広く認識されているが,学際的医療チームによる包括的プログラムを実践できる環境にある施設は決して多くないのが現状である.当院では,現在,多種の診療部門が参加した医療チームを編成し,外来および入院で包括的内科治療プログラムを展開している.外来は少人数のグループ制で6週間,入院はLVRS(lung volume reduction surgery)の可能性がある重症COPDを対象とし,個別に最大限の薬物投与を含む2週間のコースを施行している.医療チームを最大限に機能させるために,対症患者のゴール,問題点,アウトカムのチーム内での共有化およびコーディネーターナースの存在が重要であった.今後,本邦の実状に則したプログラムのガイドライン化,プログラムの展開上大きな支障となる診療報酬制度の改善が課題になると思われる.

  • 桂 秀樹, 山田 浩一, 茂木 孝, 村上 京子, 上原 隆志, 荒木 健彦, 後藤 里江, 木田 厚瑞
    原稿種別: ワークショップ
    2000 年9 巻3 号 p. 352-357
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    高齢者における包括的呼吸リハビリテーション・プログラムを作成,施行し,実施上の問題点を検討した.対象は78例の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者(平均年齢73.8歳).4年間の施行の結果以下の点が明らかになった.1)実施により抑うつ状態,quality of life,呼吸困難の改善がみられた.2)プログラムの遂行ではスタッフ教育が重要である.3)プログラムの効率化により実施期間の短縮とこれによる医療費の節減が可能である.以上より,高齢者のCOPDに対する包括的呼吸リハビリテーションの有効性が明らかとなった.

  • 安藤 守秀, 森 厚, 三木 隆正, 大塚 つき子, 古田 美佳, 長谷川 香織, 江崎 寛, 白木 硬, 上村 博幸, 榊原 博樹, 末次 ...
    原稿種別: ワークショップ
    2000 年9 巻3 号 p. 358-368
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    私立の有床診療所,芥見診療所における外来呼吸リハビリテーションの概要について報告した.私たちのプログラムは週1回,9週間の導入プログラムと月1回の維持プログラムからなり,理学療法,運動療法,患者教育を中心とした限られた資材と人員の環境に適合した内容のものである.このプログラムは高いコンプライアンスと従来の報告に遜色ない臨床効果をあげており,わが国の医療環境に適合した有用性の高いものであると考えられた.

  • 川邊 利子, 植田 能茂, 藤本 康之, 山本 洋史, 鍋島 隆治, 平賀 通, 奥田 好成, 前倉 亮治
    原稿種別: ワークショップ
    2000 年9 巻3 号 p. 369-372
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    包括的なリハビリテーションを考える場合,各分野のスタッフの役割分担が重要である.呼吸障害を有する患者における作業療法の目的は,エネルギー消費量の少ない効率的な動作,呼吸に合わせた動作を指導・訓練し,応用的動作能力の改善をはかることである.そして患者が日常生活活動(ADL)を通して自己の病態を正しく理解し,自己管理を行いながら,できるだけ楽に日常生活を行えることである.これらのことが効果的な呼吸リハビリテーションの継続につながると考えている.そのためにはより早期からの患者および家族への教育と,中等度から重度呼吸障害を有する患者には理学療法と作業療法の併用が有効である.とくに限られた活動許容範囲内でのADLの拡大または維持には作業療法の実施が重要である.

  • 辻 和美, 田平 一行, 村井 博, 倉岡 敏彦
    原稿種別: ワークショップ
    2000 年9 巻3 号 p. 373-379
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    当院では1985年にHOT医療チームを発足し,看護婦を中心に包括的呼吸リハビリプログラムの実践に取り組んできた.プログラム構成要素は初期評価・患者教育など6項目とした.プログラム内容と実施例の紹介,プログラム効果・現状の問題点について検討した.プログラムの実践からHOTの成功には,①導入時・継続中のプログラム実践,②患者個人の包括的なプログラム内容の決定,③内容の決定・指導・患者評価など看護婦を中心としたチーム医療による実践が重要である.

  • ―有床診療所3年目の取組―
    力富 直人
    原稿種別: ワークショップ
    2000 年9 巻3 号 p. 380-385
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    慢性肺疾患患者を対象として,入院による呼吸リハビリテーションを実践した.その結果,肺機能(肺活量,1秒量,努力肺活量),動脈血液ガス(二酸化炭素濃度),6分間歩行距離,Fletcher-Hugh-Jones呼吸困難度,運動耐用能,ALDの改善がみられた.これは医師,理学療法士,看護婦,栄養士など多面的な指導による総合的効果と考えられる.<br> この効果を維持するためには退院後の呼吸訓練の継続と呼吸リハビリの普及が今後の課題である.

  • 木田 厚瑞
    原稿種別: ワークショップ
    2000 年9 巻3 号 p. 386-391
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    呼吸リハビリテーションは,チーム医療として地域に根ざした形で展開されなければならない.これが軌道に乗り,効果を上げていくためにはチームメンバーがすべて同じコンセプトを共有し,情熱をもってこれを維持していくことが必要である.その中で医師にはチームリーダーとしての重い責任がある.

ランチョンセミナー
  • ―訪問看護の現状と課題を通して―
    長濱 あかし
    原稿種別: ランチョンセミナー
    2000 年9 巻3 号 p. 392-399
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    近年,在宅医療は急速な増加の一途にあり,在宅酸素療法や在宅人工呼吸療法,在宅中心静注栄養法などの医療依存度の高い患者がさまざまな環境の中で在宅療養生活を行っている.<br> 当訪問看護ステーションは呼吸管理を要する利用者が約6割であるが,利用者の状況はさまざまで,多くの問題を抱えながら在宅療養を継続しているのが現状である.訪問看護婦として,利用者が「安全に・安心して・少しでも楽に」在宅療養が続けられるよう援助している.

ミニレビュー
  • ―気管切開下人工呼吸と非侵襲的間歇陽圧人工呼吸―
    成井 浩司
    原稿種別: ミニレビュー
    2000 年9 巻3 号 p. 400-402
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    HMVの対象は,高炭酸ガス血症を伴う慢性呼吸不全患者で在宅酸素療法中にもかかわらず呼吸不全の急性増悪で頻回に入退院を繰り返す患者,睡眠時呼吸障害があり夜間の肺胞低換気のため高炭酸ガス血症,低酸素血症の悪化がみられる患者,入院中長期人工呼吸療法から離脱はできない患者などがあげられる.神経筋疾患,ポリオ後の状態,後側弯症,肺結核後遺症患者では,睡眠時呼吸障害により,日中の血液ガス所見から予測のできない高炭酸ガス血症,低酸素血症の悪化をきたすことがある.このような患者は,NIPPVを用いたHMVのよい対象となる.睡眠時呼吸障害の早期検出とNIPPV療法の早期導入は患者の生活の質を向上させ予後を改善する.

  • 蝶名林 直彦, 青島 正大, 大蔵 暢, 多田 寛, 押川 真喜子, 佐々木 佳子
    原稿種別: ミニレビュー
    2000 年9 巻3 号 p. 403-405
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    呼吸器疾患,とくに慢性呼吸器疾患患者におけるQOL(quality of life)は,多くの因子physical(身体的),functional(機能的),social(社会的),psychological(心理的)などから成り立っている.本稿では,QOLの歴史的背景を述べた後,慢性呼吸器疾患に対して行われる諸種の治療が,そのQOLにどのように影響するか,またその評価法のいくつかを紹介した.代表的なものでは,CRDQやSF36(SGRQ)がしばしば用いられるが,わが国独自で開発されたものは少なく,その評価法の問題点や今後のこの研究の動向についても言及した.

  • 大和田 明彦
    原稿種別: ミニレビュー
    2000 年9 巻3 号 p. 406-407
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    人工呼吸器,麻酔回路,呼吸機能検査機器(とくに閉鎖回路型)の使用による細菌の交叉感染を予防するためのHMEFなどの細菌除去フィルターの使用が普及してきている.しかしながら,ただ単にフィルターを導入すればよいというものではなく,どのような菌が患者から排菌されているのかということにももっと注意を払う必要があると考える.

  • 木村 弘
    原稿種別: ミニレビュー
    2000 年9 巻3 号 p. 408-409
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    睡眠時無呼吸症候群は肥満を伴う男性,とくにいびきの常習者にしばしばみられる.多くは上気道閉塞に起因する閉塞型睡眠時無呼吸症候群である.睡眠時無呼吸は高血圧や虚血性心疾患などの危険因子であるのみならず,夜間に睡眠が断裂することが原因となり,日中に過度の傾眠をきたす.このQOLの低下は,判断力や作業能力の低下にとどまらず,重大な交通事故につながりうるもので,適切な診断と治療が要求される.

  • 宮本 顕二
    原稿種別: ミニレビュー
    2000 年9 巻3 号 p. 410-413
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    包括的呼吸リハビリテーションとは継続したチーム医療であり,自覚症状のある慢性呼吸器疾患患者に対して広く推奨されている.しかし,呼吸リハビリテーションの治療効果については議論が多く,その有用性のみを強調するのは危険である.呼吸リハビリテーションを実施するにあたって,現時点でその治療効果が検証された手技を臨床の場で実践していく必要があろう.また,呼吸リハビリテーションは継続が必要であり,患者まかせにしておくと,いったん改善した労作時呼吸困難の軽減ももとの状態に戻ってしまう.呼吸リハビリテーションをいかに継続させるかが今後の問題であろう.

  • 桂 秀樹
    原稿種別: ミニレビュー
    2000 年9 巻3 号 p. 414-415
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    慢性閉塞性肺疾患をはじめとする慢性呼吸器疾患の治療を呼吸リハビリテーションという視点に立ち包括的に行おうとする機運がわが国でも高まってきている.わが国で呼吸リハビリテーションを広く浸透させるためには,医療保険を含む医療環境の整備に加え,科学的検証に基づいたりリハビリテーション・プログラムの作成が必要である.

  • 田中 一正
    原稿種別: ミニレビュー
    2000 年9 巻3 号 p. 416-418
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    呼吸という身体の基本的生理に対する機能障害により,心身両面で予後への不安などの心理問題を抱えている慢性呼吸不全患者に対する心理社会的支援のためには家庭環境,社会的背景の把握が重要で,医学的所見のみではなく,心理士社会面に関する詳しい問診を必要としている.<br> 心理社会的支援とは適切な支援システム作りであり,患者や家族にリラクゼーションを与え,不安/呼吸困難の悪循環を解消しなければならない.

  • ―最近の動向―
    赤柴 恒人
    原稿種別: ミニレビュー
    2000 年9 巻3 号 p. 419-422
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    OSASに対する治療の第1選択は,nasal CPAPであり,現在世界的に普及しているが,近年,その有効性に対し,evidence based medicineの面から疑義が呈され論議を呼んでいる.本稿では,われわれの経験したCPAP治療の成績と,最近の文献的考察を中心に述べた.その後の研究においても,nasal CPAPの有効性はさらに強固になった感があるが,厳密な無作為対照試験を要求する欧米の態度は見習う必要があると考えられる.

  • 松本 強
    原稿種別: ミニレビュー
    2000 年9 巻3 号 p. 423-426
    発行日: 2000/03/31
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    呼吸管理にまつわるその他の問題として,overlap症候群とNIPPV,胆癌患者とHOT,筋緊張性ジストロフィーとNIPPV,インフルエンザワクチンの予防効果,高齢者の呼吸困難評価(OCD)について解説した.

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