日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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ミニレビュー
在宅人工呼吸療法の実際
―気管切開下人工呼吸と非侵襲的間歇陽圧人工呼吸―
成井 浩司
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2000 年 9 巻 3 号 p. 400-402

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抄録

HMVの対象は,高炭酸ガス血症を伴う慢性呼吸不全患者で在宅酸素療法中にもかかわらず呼吸不全の急性増悪で頻回に入退院を繰り返す患者,睡眠時呼吸障害があり夜間の肺胞低換気のため高炭酸ガス血症,低酸素血症の悪化がみられる患者,入院中長期人工呼吸療法から離脱はできない患者などがあげられる.神経筋疾患,ポリオ後の状態,後側弯症,肺結核後遺症患者では,睡眠時呼吸障害により,日中の血液ガス所見から予測のできない高炭酸ガス血症,低酸素血症の悪化をきたすことがある.このような患者は,NIPPVを用いたHMVのよい対象となる.睡眠時呼吸障害の早期検出とNIPPV療法の早期導入は患者の生活の質を向上させ予後を改善する.

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© 2000 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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