日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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ワークショップ
大学病院におけるCOPDの包括的内科治療プログラム
植木 純高橋 英気鈴木 勉福地 義之助
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2000 年 9 巻 3 号 p. 346-351

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抄録

本邦においてもCOPDの包括的治療の必要性は広く認識されているが,学際的医療チームによる包括的プログラムを実践できる環境にある施設は決して多くないのが現状である.当院では,現在,多種の診療部門が参加した医療チームを編成し,外来および入院で包括的内科治療プログラムを展開している.外来は少人数のグループ制で6週間,入院はLVRS(lung volume reduction surgery)の可能性がある重症COPDを対象とし,個別に最大限の薬物投与を含む2週間のコースを施行している.医療チームを最大限に機能させるために,対症患者のゴール,問題点,アウトカムのチーム内での共有化およびコーディネーターナースの存在が重要であった.今後,本邦の実状に則したプログラムのガイドライン化,プログラムの展開上大きな支障となる診療報酬制度の改善が課題になると思われる.

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© 2000 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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