目標計画法は, 実社会における現実の意思決定過程に対する最も有効な多目的意思決定問題の一解法である.現実の大規模な意思決定問題では, 多くの0-1決定変数とそのシステム特有の構造を伴う目標計画問題として定式化されることが多い.最近では, 路線乗合バスの最適仕業編成計画問題を0-1目標計画問題に帰着させて, 計画の策定を行う計画モデルも提案されている.このような大規模システムを解析する場合には, そのシステムのもっている特有な構造を十分に活用した効率的な計算法を適用することが生産性の高いきめ細かな計画を迅速にたてる上で要求される.本稿では, 0-1目標計画問題に定式化された路線乗合バスの最適仕業編成計画モデルがもつ特殊構造性に着目し, そのような0-1目標計画問題を効率良く解くための計算法を開発する.さらに, その有効性を示すために, 太田らが示した路線バスの最適仕業編成計画問題の数値例を取り上げ, 従来手法との比較検討を行う.

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需要の変動に適切に対応するための多段階生産工程における生産管理システムの基本概念に, いわゆる, 押出型と引張型がある.前者は, 需要予測情報に基づいて, 事前に, 将来の需要に対処しようとするものであり, 後者は生起した需要への事後的な対策を指向している.従って, 両者におけるシステム特性は, 需要量あるいはその予測誤差の特性に大きく影響されることになる.本研究は, 需要の特性を考慮して押出型と引張型の長所を取り込む混成型の生産指示方式を提唱している.この押し引き混成型生産指示方式は, 定期的に生産を管理する方式で, 押出型と引張型を包含する拡張型となっている.そこでは, 1次の自己回帰型需要系列を例として, 混成型生産指示方式を使用した場合の期末在庫量の特性が解析される.そして, 2段階生産工程へ適用した場合の混成型生産指示方式の有効性が明らかにされる.

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トヨタ生産システムの基本概念であるジャストインタイム生産は, かんばんシステムによって維持されている.実際に, 企業がかんばんシステムを導入, 実施しようとする時, 特に多段階組立工程においてかんばん枚数の決定は, 生産管理担当者にとって非常に重要な問題として現れる.本論文では, かんばん枚数の決定にあたってコストのみの最小化を考えるのではなく, かんばん枚数の決定に影響を与える要因を整理し, それらを考慮したかんばん枚数の決め方について提案する.具体的には, 主要な影響要因である需要量, 工程間の目標在庫水準, 在庫コスト, 労務コスト, 下請け企業の供給能力.作業者の作業時間, 負荷バランスなどを考慮する.そして, 数理計画法の一つである多目標混合整数計画法の問題に定式化する方法を提案する.最後に, 数値例を使ってモデルの解析を行い, 結果に対する考察を行う.

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経営戦略の一つとしてM&A(企業の吸収・合併)を採用する企業が増えている.それとともに, M&Aを銀行等の仲介者に依頼することが多くなってきており, M&A業務の支援システム化の要請が強くなってきている.そこで本研究では, M&Aにかかわる業務分析をふまえて, M&A業務支援システムの開発を試みた.本システムは, (1)M&Aの目的を獲得する目的獲得システム, (2)目的に合う企業を選び出す検索システム, (3)買収価格を決定する評価システム, (4)買収資金の調達を計画する計画システムの4つのサブシステムからなる.本システムの基本的設計方針は, ユーザが最終的に企業の買収価格を決定することを支援するために, 1)いろいろなアプローチからの検討, 2)網羅的な情報の提供, 3)1), 2)が容易にできるインタフェースの充実としている.本システムにより, ユーザは自由に各サブシステムに移動しながらM&A業務の支援を受けられるようになった.

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本論文ではソフトウェアの動的信頼度予測のモデルとして信頼度ペトリネットのモデルを提案する.組合せ型形態のモデル(たとえばソフトウェアのフォールトツリー, 信頼度ブロックダイアグラム, モジュールグラフと直接acyclicグラフ)は並列, 同時処理およびembedded型のソフトウェアの動的な信頼度の予測には適していない.このような短所を克服するためCondition/Event Netを信頼度の予測に適用できるよう拡張したRPN(Reliability Petri Net)を定義して, ソフトウェアのモデル化の段階から性能評価と共に動的な信頼度の予測ができるようにした.

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本研究は, 共通な納期をもつ多品種の製品をジャストインタイム生産方式をとる一機械のショップで生産する際のロットサイズの決定問題とロットの順序づけ問題を取り扱う.ロットサイズを決定する部分問題の解法と全体のロットを順序づけする部分問題の解法は, それぞれ最適解法となっている.しかし, これら二つの部分問題は総実滞留時間最小化の評価尺度のもとで, お互いに独立したものではないことから, それらを総合した多品種・共通納期・一機械問題を解く全体の最適な解法は簡単に求められない.そこで, 二つの部分問題の最適解法をヒューリスティックに総合した解法を提案するとともに, 提案解法の有効性を数値例により確認する.

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本研究は, 部品の共通化と固定計画法または再計画のいずれかの計画法を組み合わせることによって柔軟性の高い生産システムを設計する問題を取り扱っている.本文は2段階製造工程を対象にして, 部品の共通化と生産計画法との関係を分析し, 部品の共通化は段取替比率や緩衝在庫量を低く抑えられることを定量的に明らかにした.このことにより, 部品共通化の目標設定や生産計画システム設計のための基礎を提供した.

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本研究はロボットによる品種切替型の多品種組立ラインについて, 最少工程数を得る編成法を探求し, さらにこの結果を実用化する際の経済性の考え方より, 最経済的となる最適工程数について考察する.最少工程数については, 1本のロボットラインに多品種のものを流すので, 理論的に最も長いラインとなる製品ラインの工程数が最少工程数となることから, 実際に編成されたラインの工程数がこれを超えた場合, いくつかの工程を部分的に集約することによって, 最少工程数にする編成法を提唱する.さらにこの編成法で使用されるロボットが実際にコスト的に有利であるか否かを判定する, 最適工程数を求める経済性評価式を提示する.

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