経済環境の変動に伴って顧客の嗜好の変化はますます早められる傾向にある.そこで本研究では, 食品, 血液, 化学薬品等の鮮度(品質)を問題とする製品に関する研究を行なったものである.すなわち, 時間の経過とともに鮮度がマルコフ過程に従って低下する商品について, その最適在庫管理政策を理論的に解明するもので, 定期発注法と(s, S)政策について比較・検討した.ここでは, 過去の販売実績より「鮮度指数」を新しく定義し, 陳腐化および腐敗による損失を考慮している.その結果, 鮮度を問題にする場合は定期発注法が有利であり, 単位期間当りの総費用を最小にする在庫管理政策が容易に求められる.しかもそれは, 従来の方式よりも倉庫スペースが縮小され, かつ鮮度の良い製品を売ることが可能となる.
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