日本応用動物昆虫学会誌
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28 巻, 2 号
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  • 井口 民夫, 山田 政枝, 中村 晃三
    1984 年 28 巻 2 号 p. 43-48
    発行日: 1984/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    14C-尿素を用いるウレアーゼ測定法をナタマメウレアーゼについて検討したところ,迅速性,簡便さの点で優れているが,反応液中に放射性尿素以外の尿素が存在しないことが望ましいことを知った。この装置を用いて測定した結果,桑葉育蛹の血液は明らかにウレアーゼ活性を示したが,人工飼料育蛹の血液は活性を示さなかった。また桑葉育蛹と人工飼料育蛹の血液を混合して測定した結果から,後者がウレアーゼ活性を示さないのは阻害物質が存在するためではなく,ウレアーゼそのものが欠如しているためであることを知った。
  • 山田 政枝, 中村 晃三, 井口 民夫
    1984 年 28 巻 2 号 p. 49-56
    発行日: 1984/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1) 桑葉育と人工飼料育によって得られた15品種の蚕蛹について,血液のウレアーゼ活性を測定したところ,前者では40∼300mU/mlの活性があり,人工飼料育では検出されなかった。
    2) 化蛹直後から成虫に至るまでの全蛹体のウレアーゼ活性は,人工飼料育ではまったく認められなかったが,桑葉育では全般に高く,蛹期後半に低下して成虫で上昇する傾向を示した。
    3) 蚕体組織のウレアーゼ活性の発育に伴う変化を検討した結果,人工飼料育では調査したどの組織でも活性が認められなかった。一方,桑葉育では,マルピーギ管,卵巣,脂肪組織,体壁,消化管および絹糸腺では多くの場合活性が認められた。また熟蚕の消化管ではとくに高い活性が示された。
    4) 桑葉育によって得られた卵についてもウレアーゼ活性が認められた。
    5) 4齢中期から成虫に至るまでの血液ウレアーゼ活性の変動を人工飼料育と桑葉育の間で比較したところ,人工飼料育ではまったく活性が認められなかったが,桑葉育では4眠中,吐糸完了時(前蛹期)に高い活性を示した。
    6) ナタ豆ウレアーゼが経口的に蚕体に取り込まれることを示す結果が得られたが,その活性が全蛹期まで維持されるには熟蚕前2日の投与で十分であることが認められた。また同じ時期に桑葉粉末を人工飼料に塗布して与えても蛹血液にはウレアーゼ活性が現われた。
  • 野口 洋子
    1984 年 28 巻 2 号 p. 57-62
    発行日: 1984/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    アメリカシロヒトリCPVに交差感染しても発病程度の異なるハスモンヨトウ,ヒメシロモンドクガおよびカイコを供試し,感染虫におけるウイルス増殖と感染細胞の病変について,電子顕微鏡によりアメリカシロヒトリの場合と比較調査した。
    感染しても発病へい死しにくいハスモンヨトウおよびカイコの場合は,ウイルス増殖に先立ってcapsid様粒子の集積が顕著に行われ,virogenic stroma内にグリコーゲンの蓄積がみられる等,ウイルス増殖がある程度抑制され細胞機能が保持されていることがうかがわれた。アメリカシロヒトリCPVは,中腸円筒細胞のみならず,盃状細胞,筋肉細胞および気管皮膜細胞においても増殖し多角体形成が認められた。また中腸細胞へ分化途上の新生細胞にも本ウイルスが増殖するところから,鱗翅目昆虫を侵す他のCPVに比べて組織特異性が低いウイルスであることが明らかとなった。
  • 小山 重郎, 田中 健治
    1984 年 28 巻 2 号 p. 63-67
    発行日: 1984/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    沖縄県久米島のウリミバエは不妊虫放飼法によって1977年にその根絶が達成されたが,その後,久米島と周辺離島に不妊虫を放飼しつづけたにもかかわらず,1982年までの間に4回の再発生が確認された。1981年までの再発生実態の検討をおこなった結果,沖縄本島から寄生果実の持込みあるいは成虫の海上移動によって周辺離島に侵入したウリミバエが,そこで繁殖して夏期に密度が高まり,これが海上移動によって久米島へ侵入して再発生をおこしたものと考えられた。久米島における放飼体制の不備もこれを助長したものと思われた。そこで,1982年には野生虫の密度が高まる夏期に周辺離島への不妊虫放飼数をふやして繁殖をおさえるとともに,久米島での放飼体制を改善した。その結果,1982年には再発生がおこらなかった。
  • 河口 豊, 藤井 博
    1984 年 28 巻 2 号 p. 68-74
    発行日: 1984/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1) カイコ卵の胚子形成過程におけるタンパク質合成能の経時的変化を放射性アミノ酸の取り込みにより調べた結果,発生初期(産下後1日)と中期以降(産下後5∼7日)との二つの時期に合成能の上昇が認められた。休眠に入る卵では発生初期の上昇のみが認められる。
    2) アクチノマイシンD投与によっても発生初期のタンパク質合成は影響を受けず母性mRNA依存性であるが,中期以降の合成は著しく阻害され,新生RNA依存性であると判断される。
    3) 胚子の発育時間により合成されるタンパク質成分は量的に異なるのみならず,質的にも異なっていることを2次元電気泳動オートラジオグラフにより明示した。
  • 中村 和雄, 川崎 建次郎
    1984 年 28 巻 2 号 p. 75-81
    発行日: 1984/05/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    ハスモンヨトウの日暮時における活動時刻を知るために,雄成虫の飛び立ち時刻とフェロモン・トラップへの飛来時刻を得た。
    10分間ごとの飛び立ち個体数の分布も,トラップへの飛来数の分布も正規分布で近似できた。しかし,1分間ごとの飛び立ち数はばらつきが激しく,風速が強まると飛び立ち数も増加する傾向が見られた。飛び立ち開始時刻の平均は,日の入後26分,平均飛び立ち時刻の平均は,同じく49分であった。また,トラップへの飛来開始時刻の平均は,日の入後32分,平均飛来時刻の平均は,同じく56分であった。これらの時刻は,季節によっても,実験場所によっても変わらなかった。実験日間におけるこれらの時刻の変動に関与している要因を探るため,重回帰分析を行ったが,有意に関与している要因は見いだせなかった。
  • 本田 洋, 松本 義明
    1984 年 28 巻 2 号 p. 82-86
    発行日: 1984/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    モモノゴマダラノメイガ果実系雌成虫の各種寄主植物,非寄主植物の果実と葉それぞれの香気に対する産卵反応性について検討した。
    1) 雌成虫はモモ,リンゴ,クリ,ナシ,ビワ,イチヂクの果実,ならびにスギの葉の香気に対して強い産卵反応を示した。
    2) モモ香気と他の果実香気との選択試験では,常に雌成虫はモモ香気を選好した。
    3) 寄主のスギ葉香気と非寄主のゴヨウマツ葉香気の間では,雌成虫はスギを選好した。
    4) 雌成虫は,ゴヨウマツ,ヒマラヤスギ,ドイツトウヒなどの非寄主植物の葉の香気にも産卵反応を示すが,これらの植物の葉を直接与えたときには,産卵数が著しく減少した。
    5) 寄主植物の果実香気と葉の香気の間では,雌成虫は常に,果実香気を選好した。
    6) 成熟果と幼果,あるいは貯蔵幼果と新鮮幼果の香気の間では,雌成虫は成熟果と貯蔵幼果の香気を選好した。
    7) 雌成虫は,果実の大きさ,あるいは葉の枚数などの香気源のわずかな量的変化をも識別した。
    8) 雌成虫は,寄主植物の香気に対して誘引された。
  • 西東 力
    1984 年 28 巻 2 号 p. 87-89
    発行日: 1984/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    In vitro evaluations indicated that the conidial germination and hyphal growth of Beauveria bassiana were strongly inhibited by the insecticides carbaryl and cyhexatin, and also the fungicides chlorothalonil and zineb. Acephate, methomyl, cartap, and copper hydroxide were least toxic to this fungus.
  • 若村 定男, 香西 修治
    1984 年 28 巻 2 号 p. 89-91
    発行日: 1984/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
  • 長澤 純夫, 神崎 務
    1984 年 28 巻 2 号 p. 91-94
    発行日: 1984/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
  • 野田 博明, 田中 重義, 浜 弘司
    1984 年 28 巻 2 号 p. 94-96
    発行日: 1984/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    In August 1983, an outbreak of the armyworm (Pseudaletia separata WALKER) occurred in the rice fields of Kawamoto, Shimane. Almost all the leaves of rice plants were eaten by gregarious larvae. The heavy attack by themature larvae occurred nearly one month after flooding. Female immigrants appeared show active oviposrtion afterthe flood.
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