モモノゴマダラノメイガ果実系雌成虫の各種寄主植物,非寄主植物の果実と葉それぞれの香気に対する産卵反応性について検討した。
1) 雌成虫はモモ,リンゴ,クリ,ナシ,ビワ,イチヂクの果実,ならびにスギの葉の香気に対して強い産卵反応を示した。
2) モモ香気と他の果実香気との選択試験では,常に雌成虫はモモ香気を選好した。
3) 寄主のスギ葉香気と非寄主のゴヨウマツ葉香気の間では,雌成虫はスギを選好した。
4) 雌成虫は,ゴヨウマツ,ヒマラヤスギ,ドイツトウヒなどの非寄主植物の葉の香気にも産卵反応を示すが,これらの植物の葉を直接与えたときには,産卵数が著しく減少した。
5) 寄主植物の果実香気と葉の香気の間では,雌成虫は常に,果実香気を選好した。
6) 成熟果と幼果,あるいは貯蔵幼果と新鮮幼果の香気の間では,雌成虫は成熟果と貯蔵幼果の香気を選好した。
7) 雌成虫は,果実の大きさ,あるいは葉の枚数などの香気源のわずかな量的変化をも識別した。
8) 雌成虫は,寄主植物の香気に対して誘引された。
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