岩盤内において数 m~数十 m程度の領域の水理特性を評価する手法を提案した. 本手法は, 複数のボーリング孔を用いて, 加圧個所における圧力の時間変化から観測個所における圧力の時間変化を逆解析することにより, 2個所間の透水係数, 間隙率を推定するものである. この手法は従来の手法と比較して, 1) 流量を変数として, 圧力伝播に関する解析解を用いて水理パラメータを推定できる, および 2) 加圧個所における圧力変動を離散的に与えて入力値とするため, そのパターンに制約がない, という特長を有する. この手法を現場で得られたデータに適用し, 地下空洞周辺の水理特性を評価した結果, 原位置試験結果と概ね一致した.
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