土木学会論文集
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2000 巻, 639 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 安藤 昭, 佐々木 栄洋, 赤谷 隆一, 三浦 剛史
    2000 年2000 巻639 号 p. 1-11
    発行日: 2000/01/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    今日, 我が国の津波防災に関する研究は, 国際的にも高い評価を受けている. しかし, それぞれの研究成果は, 関連性がないままになっており, これまでに講じられてきた津波防災対策を全般的にオーソライズし, 評価する体制は十分とはいえない.
    そこで, 本研究では, 津波常襲地域である岩手県沿岸域14市町村を対象に, 津波被害史, 津波対策史, 被災復興史という3つの観点から津波防災に関する情報を収集し, 津波防災に関するデータベースを構築した. そして, データベースにおいて制約, 結合といったデータ操作による分析を行い, 津波防災の変遷を明らかにし, 岩手県沿岸域における津波防災上の共通課題を探索した.
  • 蒔苗 耕司
    2000 年2000 巻639 号 p. 13-22
    発行日: 2000/01/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    道路の幾何構造の根幹である道路の中心線形は, 現行の設計手法では線形要素の連結として考えられており, 設計速度に適合した線形要素を図面上に配置する手法が用いられる. しかし, この手法は製図による設計を前提としており, 高度にコンピュータを利用する場合の阻害要因ともなっている. 本研究では, コンピュータ利用を前提にした設計手法として, 平面線形に関しては時間-速度-曲率系, 縦断線形に関しては時間-速度-勾配系として取り扱い, 道路の中心線の距離lをパラメータとしてそれぞれ曲率関数, 勾配関数を定義し, これらを基にした道路の幾何構造モデルの構築手法を示した. さらに, この手法を用いた道路幾何構造の設計システムを構築し, その効用について述べた.
  • 田中 邦煕, 新谷 洋二, 山田 清臣
    2000 年2000 巻639 号 p. 23-37
    発行日: 2000/01/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は 城郭石垣の築 (平) 石を正面から見たときの形状寸法などを基準に行った分類と変遷についてとりまとめたものである. 多くの石垣を踏査するうちに, 積み石はその形状寸法や加工状態から古代型・掘出し石型および切出し石型の3タイプに大分され, これはさらに8タイプに細分されるのではないかと想定した. そこで, 全国約140箇所の石垣調査データのうち, 積み石の形状寸法に関する4種類の数値パラメータから得られる9種の統計量を8タイプに当てはめたところ, この4パラメータにより8タイプの石垣を定量的に表示できる可能性が示された. したがって現存石垣を4パラメータを用いて数量化して表示することにより, 石垣分類を行いまた, その構築年代を推定する一手法になりうると考えられる.
  • 小林 潔司, 横松 宗太
    2000 年2000 巻639 号 p. 39-52
    発行日: 2000/01/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, 自然災害によるカタストロフ・リスクを家計が被災するリスクを表す個人リスクと社会全体の被害を表す集合リスクの複合リスクとして表せることを指摘する. そのうえで, 個人的なリスクを相互に分散する相互保険と集合的なリスクを分散するための状況依存的証券を組み合わせた保険システムを導入することによりパレート最適な災害リスクの分権的配分が可能であることを示す. さらに, このようなパレート最適なリスク配分の下で, 防災投資による災害リスクの軽減便益を計測する方法を提案する.
  • 私的交通のケース
    河野 達仁, 森杉 壽芳
    2000 年2000 巻639 号 p. 53-64
    発行日: 2000/01/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    時間価値の大きさは, 交通投資の費用便益分析において決定的に重要である. 現在, 時間価値計測は所得接近法に基づく計測またはSPあるいはRPデータを用いた行動モデルから計測する方法で行われている. しかし, いずれの計測においても時間価値が経済環境 (財の価格, 交通料金, 交通所要時間等) によって変化するといった考え方はなされておらず, 一定の時間価値が用いられている. 時間価値は個人の行動に内生化されているものであるから, 経済環境変化に応じて時間価値も変化する. 本研究においては経済環境変化に対応して時間価値がどのように変化するかが理論的に考察される. その結果, 賃金率や利用時問, 労働時間だけでなく, 財の価格や交通費用および所要時間の変化による時間価値は変化するものであること, さらにその変化の符号が本研究のいくつかの仮定のもとで示される.
  • 溝上 章志, 朝倉 康夫, 古市 英士, 亀山 正博
    2000 年2000 巻639 号 p. 65-75
    発行日: 2000/01/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    観光周遊行動は, 自宅をベイスとして幾つかの観光地を訪問した後に帰宅するという時間軸に沿った連続的目的地選択行動と考えることができる. また, 観光目的地の選択には観光地魅力度の影響が大きいことから, 観光地魅力度を客観的に定量化しておく必要がある. 本研究では, 生活圏程度の地域間観光流動量は既知として地域内の観光地間観光周遊行動のモデル化を行っている既往研究を拡張し, 観光地魅力度と観光周遊行動を明示的に考慮した観光交通需要の予測システムの構築を行った. さらに, 京奈和地域の観光系幹線道路網整備計画をケーススタディとし, 提案した予測システムの特定化と現況再現性の検討を行っている. その結果, 本予測システムの実用可能性が検証された.
  • 小川 圭一
    2000 年2000 巻639 号 p. 77-78
    発行日: 2000/01/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
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