実験社会心理学研究
Online ISSN : 1348-6276
Print ISSN : 0387-7973
ISSN-L : 0387-7973
18 巻, 2 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 他者からの行動評価の影響について
    吉田 道雄
    1979 年18 巻2 号 p. 87-93
    発行日: 1979/02/17
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    PM式感受性訓練の場面においてなされる他者からのリーダーシップ評価が, 参加者の自己評価にいかなる効果をおよぼすかについて検討された。被験者は造船工場第1線監督者113名。訓練の初回会合直後 (表申で前と表記) と最終会合直後 (表中で後と表記) の2回, 10項目からなる自己評価質問紙に回答を求めた。訓練期間中3回にわたって, 他者からの行動評価 (PMリーダーシップ・タイプ) の結果が参加者各人にフィードバックされた。
    結果は次のとおりである。すなわち,
    第1に, リーダーシップ・タイプを混みにした参加者の自己評価はポジティヴに変化しており, 仮説1は支持された (ただし開放性と問題意識には変化がみられなかった)。
    第2に, PMタイプと評価された参加者は魅力, 成功, 信頼, 統制, 目標については自己評価がポジティヴに変化しており, 従って仮説2 (a) は支持された。
    第3に, pmタイプと評価された参加者については, 10項目のいずれにも自己評価のポジティヴな変化がみいだせず, 従って仮説2 (b) は支持された。
    第4に, 終了時の自己評価は, PMタイプの参加者の方がpmタイプの参加者よりも7項目にわたって高く, 仮説2 (c) は, 一応支持されたと言える。
    問題意識は, 高いリーダーシップ評価を受けたことによってむしろ高まる傾向があることが示唆された。トレーニング効果の測定に際しては, 参加者の相互作用を考慮に入れるべきこと, トレーニング内部の評価と参加前後の現場での評価とを有機的に結びつけて研究する必要があること, などが今後の課題として指摘された。
  • リーダーシップ・パターンを意味づけた音刺激が単純課題遂行時の心理-生理過程におよぼす影響
    河津 雄介, 三隅 二不二, 小川 暢也, 福永 秀明
    1979 年18 巻2 号 p. 95-103
    発行日: 1979/02/17
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    本研究はPMリーダーシップ条件が被験者の心理-生理過程におよぼす影きょうを吟味する研究の一環として行われたものである。本研究の目的は, 純音を刺激として用い, 教示によってこれに特定のリーダーシップの意味づけをすることで, リーダーシップ条件刺激として使用することができるかどうかを吟味することにある。
    25名の大学生 (三回生, 女子) が12名と13名の二群にわけられ, 一方の群には音刺激の提示はP型リーダーシップ (Tone-P条件もしくはTP), 無提示はM型リーダーシップ (No Tone-M条件もしくはNTM) を意味づけ, 他方の群には音刺激の提示がM型リーダーシップ (Tone-M条件もしくはTM), 無提示がP型リーダーシップ (No Tone-PもしくはNTP) と意味づけた。
    眼前1.2mにおかれた175×175mmの白紙に直径9mmの黒点が32~35個ランダムな位置関係に印刷されているものを早く正確にかぞえる課題が与えられた。3試行を1ブロックとして全体で8ブロックおこない, 奇数ブロックでは125hzの純音が1秒間隔で断続的に提示され, 偶数ブロックで無提示とした。課題遂行中の被験者の生理反応をプレティスモグラフで測定した。
    質問紙による被験者の評定では, Tone-P条件 (TP) はTone-M条件 (TM) あるいはNo Tone-M条件 (NTM) よりP機能評定点が高く, TMはTPあるいはNTPよりM機能評定点が高くなった。HRおよびプレティスモグラフ振幅を指標とした場合, TPはNTMよりNTPはTMより, そしてTPはTMより, それぞれより高いantonomic arousal levelを示す生理反応, すなわちHRの増加と脈波振幅の減少がみられた。課題遂行速度では, TPはNTMより, NTPはTMより, そしてTPはTMより成績がすぐれていた。
    これらの結果は, 言語によってリーダーシップ条件刺激を構成した従来の研究結果と同じものである。以上の結果から, 純音刺激にP型もしくはM型のリーダーシップを意味づけ, リーダーシップ条件刺激として用いることが可能であると考察された。
  • 杉江 修治, 市川 千秋, 藤田 達雄, 塩田 芳久
    1979 年18 巻2 号 p. 105-111
    発行日: 1979/02/17
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    本研究は, 集団事態での問題解決の効果をより高めるための条件を求めて, 集団がとる解決ストラテジーの2条件-はじめ単独で, つづいて集団で解決にとりくむストラテジー (IGs) と終始集団でとりくむストラテジー (Gs) -についての実験的な比較検討を行ったものである。集団がとりくむ課題としては, ブレィンストーミング事態でのアイデアの産出を用いた。
    小学校5年生, 集団内知能異質条件で構成した6人集団を対象とし, この集団に予め本課題と類似の課題に2回とりくむという手続きによる集団経験をさせた後, 本実験を行なった。
    主な結果は以下の通りであった。
    (1) IGs条件はGs条件に比べて問題解決に直接関連した内容の相互作用が多く, 課題無関連の相互作用が少ない傾向を示した。また, IGs条件では各発言はより手短かにまとめられている傾向があった。
    (2) IGs条件はGs条件に比べて成員の問題解決への参加・貢献の偏りが小さい傾向が示された。
    以上のような相互作用の結果,
    (3) IGs条件はGs条件に比べてアイデア産出量, アイデアの内容の多様性においてすぐれる傾向を示した。
    (4) IGs条件はGs条件に比べて問題解決後の成員の満足度が高い傾向がみられた。
    本研究の主な結果は, 先にわれわれが授業事態に近い複雑な事態で行なった研究結果と同じ傾向を示しており, IGs条件, Gs条件の効果に関する知見をより一般的なものとしたと考えられる。
    以上の検討に加えて, 今後に残されたこの領域での問題の討論を行なった。
  • 安藤 清志
    1979 年18 巻2 号 p. 113-122
    発行日: 1979/02/17
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    The aim of the present study was to investigate how a person's inferential processes concerning the causes of his own physiological arousal would affect the affiliative tendency, anxiety level, and the frequency of GSR nonspecifics.
    28 male high school students served as Ss. Each S was given a lactose-filled pill and led to anticipate an “second experiment” which ostensibly needed a painful injection. Ss in the first group were led to believe that the pill would arouse them. Ss in the second (control) group were told that it would cause symptoms irrelevant to arousal. Ss in the third group were informed that it would make them feel relaxed.
    It was predicted that Ss in the first group would show lessened affiliative tendency and anxiety compared to the control group, as they were allowed to attribute their arousal to an extrinsic source. It was also predicted that Ss in the third group would show greater affiliative tendency and anxiety than would the control group as a belief that arousal had been artificially, reduced would lead to an inference that they were affected in a particularly strong way by the stimulus.
    Major findings were as follows ;
    (1) Ss who could attribute arousal to the pill were less anxious than Ss in the control and the third group when they were led to anticipate a stressful situation.
    (2) Ss in the first group showed lessened autonomic arousal compared to Ss in the third group.
    (3) No relationship was found between the induced arousal processes and the affiliative tendency.
    A tentative interpretation for the obtained difference in the actual autonimic arousal was suggested on the basis of Beck's model. Some implications for application of “attribution therapy” to clinical practice were also suggested.
  • 北中 勇, 小川 暢也, 宮本 正一
    1979 年18 巻2 号 p. 123-127
    発行日: 1979/02/17
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    本実験の目的は, 両手協応動作器を応用した協同作業法により, 精神分裂病者のcommunicationの障害を実証的に捉えようとするものである。
    実験対象は, 精神分裂病患者16名およびそれらの患者と性および年令がほぼ一致する正常者16名である。課題は両手協応動作器の一方のハンドルは常に同一の実験者が操作し, 他は被験者が交代で操作して, 2人が協力して与えられた円形の図形を描くものである。作業の指標は円形の図形を1周する時間を速度とし, さらに図形からの逸脱回数を正確度とした。図形1周を1作業としてこれを連続5回繰り返した。
    主な結果は次の通りである。
    (1) 作業速度において, 精神分裂病患者は正常者に比べて5回の試行を通して有意に遅延した。
    (2) 作業正確度において, 精神分裂病患者は正常者に比べて5回の試行を通して有意に低下していた。
    以上の結果から, 精神分裂病患者は正常者に比べて協同作業能率が劣ることが実証された。この事実から本法によって2者間のcommunicationが客観的に捉えられる可能性が示唆された。
  • 田崎 敏昭
    1979 年18 巻2 号 p. 129-138
    発行日: 1979/02/17
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
  • 村山 正治, 村山 正治, 野島一彦 一彦, 岩井 力
    1979 年18 巻2 号 p. 139-152
    発行日: 1979/02/17
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
  • 特に数量化の問題を中心に
    窪田 由紀
    1979 年18 巻2 号 p. 153-159
    発行日: 1979/02/17
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
  • H. H. Kelley
    1979 年18 巻2 号 p. 161-166
    発行日: 1979/02/17
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
  • Morton Deutsch
    1979 年18 巻2 号 p. 167-171
    発行日: 1979/02/17
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
  • 1979 年18 巻2 号 p. 178
    発行日: 1979年
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
feedback
Top