包括的高度慢性下肢虚血(CLTI)患者の多くは糖尿病や末期腎不全患者で,冠動脈病変を合併していることも多い.症例は59歳女性,9年間の維持透析と糖尿病があった.右拇趾の潰瘍を認め,他院で血管内治療をするも感染制御不良で当院へ紹介となった.右足病変は壊死が中足部にまで拡大していた.両側下腿の閉塞病変と,左冠動脈主幹部を含む冠動脈2枝病変を認めた.虚血の改善を優先し,抗菌薬投与の上,右浅大腿動脈への血管内治療した後distal bypass術とデブリードマンを行った.術後19日目にオフポンプ冠動脈バイパス術(LITA-LAD, Ao-SVG-#12)と右足再デブリードマンを施行した.その後VAC療法や分層植皮を行い,狭心症状も認めず術後57日目に独歩退院となった.複合的治療により良好な結果を得たため報告する.
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