岩手医科大学歯学雑誌
Online ISSN : 2424-1822
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3 巻, 3 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
原著
  • 八木 實, 長島 明, 三條 勲, 亀谷 哲也, 石川 富士郎
    1978 年 3 巻 3 号 p. 227-236
    発行日: 1978/11/25
    公開日: 2018/12/24
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,下顎第1大臼歯抜去後,隣接する小臼歯群および第2大臼歯がどのように動き,萌出してくるかを探求するものである。その動態については各段階の45°斜位頭部X線規格写真上で計測し, 累年的に分析を行った。 その結果は,以下のとおりであった。

    ①小臼歯群の萌出前に下顎第1大臼歯が抜去された時,小臼歯群の歯胚は遠心に移動していた。それに対して,小臼歯群がすでに萌出している時は,これらの歯軸は遠心傾斜を示していた。

    ②下顎第2大臼歯は,萌出途中,萌出完了にかかわらず著しい近心傾斜を示していた。

    ③小臼歯群と第2大臼歯がまだ未萌出で,第2大臼歯の歯胚の石灰化が第2小臼歯に先行している時,第1大臼歯の抜歯空隙は自然に閉鎖され,歯軸も良好であった。

  • 名和 樫黄雄, 石関 清人, 立花 民子
    1978 年 3 巻 3 号 p. 237-245
    発行日: 1978/11/25
    公開日: 2018/12/24
    ジャーナル フリー

    生後3日~5日マウスの下顎臼歯歯胚を摘出し,器官培養と一部は上皮性組織と間葉性組織に分離しフィルターの両側に貼布して培養を試みた。

    器官培養の場合はエナメル芽細胞の変性はきわめて早期に現われた。一方象牙芽細胞の変性はエナメル芽細胞より遅れて現われ,象牙前質に相当する部位はコラーゲン様の網状構造からなり,象牙芽細胞の微細な突起との絡み合いがみられ,象牙芽細胞と象牙質基質形成との直接的関連がうかがわれた。しかしながら培養以前に形成されていた基質にどの程度培養によって基質が添加されたかは,本実験では不明で,少なくとも培養による既存基質の石灰化の促進は認められなかった。フィルター培養の場合は器官培養に比較してエナメル芽細胞は長期間生存するが細胞の丈がきわめて高いのが特徴的で,分泌様の形態もみられたが,基質形成は認められなかった。

症例報告
  • 佐々木 哲正, 小野 寺満, 越前 和俊, 関山 三郎
    1978 年 3 巻 3 号 p. 246-249
    発行日: 1978/11/25
    公開日: 2018/12/24
    ジャーナル フリー

    われわれは,Riga-Fede病の2症例を経験したので報告する。 症例1は6ヵ月男児で初診時の口腔内所見としては,舌下面正中部に直径約15mmで円形の潰瘍がみられた。両側下顎乳中切歯が歯冠約阜まで萌出し,潰瘍の範囲は両側乳中切歯切縁に一致しており舌の運動により切縁と潰瘍が接触するのが認められた。処置はその尖鋭な切縁を唇舌的にわずかに削合し口腔軟膏を塗布したところ,1週間後には潰瘍は約十の大きさに縮小し約3週間後には消失した。症例2は8ヵ月女児で初診時の口腔内所見としては,舌小帯に8×4mmの楕円形で境界明瞭な腫瘤がみられた。両側下顎乳中切歯が歯冠約十まで萌出しており,舌小帯は短かく舌運動は制限され腫瘤が乳切歯切縁に接触するのがみられた。舌小帯伸展術と腫瘤の切除を予定していたが乳中切歯の萌出にともなって腫瘤の縮小傾向がみられ,約1ヵ月後には十以下になり3ヵ月後にはほとんど完全に消失した。いずれも歯牙を保存しつつ治癒するに至った。

例会記事
岩手医科大学歯学会第6回例会抄録
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