子育て・介護支援制度を使用していない看護師に対し看護管理者がどのように感じ、配慮しているかを明らかにすることを目的に、A県内の交代制勤務をしている病院の看護管理者142人を対象に郵送によるアンケート調査を実施した。調査内容は属性、ワークライフバランス(WLB)を推進している現状、子育て・介護支援制度を使用していない看護師に負担をかけていると感じている内容、それらを軽減するための対策である。岡山県看護協会倫理委員会において承認を受け実施した。
分析は統計解析ソフトSPSSver.23を用いて記述統計を行い、さらに子育て・介護支援制度を使用していない看護師の負担と、属性との関連について一元配置分散分析で、WLBの取り組み内容との関連についてカイ二乗検定で検討した。
116人から回答があり、回収率は82%であった。看護管理者は「夜勤回数、急な勤務変更、休日勤務、時間外勤務」について、子育て・介護支援制度を使用していない看護師の負担が大きいと感じていた。「急な勤務変更」では病床数が少ない施設で、「委員会への参加」では看護職員数が少ない施設で支援制度を使用していない看護師に負担をかけていると感じていた。
「委員会のあり方の改革」「小中規模施設における子育て・介護支援制度を使用していない看護師の負担の軽減」「大規模な施設で働き続けられる一層のWLB推進」といった課題に取り組む必要が示唆された。
抄録全体を表示