アンサンブル
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18 巻, 2 号
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  • 伊藤 暁
    2016 年18 巻2 号 p. 107-114
    発行日: 2016/04/30
    公開日: 2017/04/30
    ジャーナル フリー

    概要 温度一定の分子シミュレーションを行う方法として,能勢・フーバー法がよく知られている.能勢・フーバー法において座標や運動量をreversible reference system propagator algorithm (r-RESPA)を用いて時間発展させる時,分割された時間発展演算子の演算順序には任意性がある.これまで,時間発展演算子の演算順序がシミュレーションの結果にどのような影響を及ぼすのかはあまり議論されていない.本稿では,時間発展演算子の演算順序と得られる物理量の平均値の関係について議論する.時間発展演算子として,速度ベルレ法及び位置ベルレ法を拡張したものを用い,これをアルゴン流体の系に適用した.時間刻みや系の大きさを変えた時に,温度やポテンシャルエネルギーの平均値が時間発展演算子の演算順序に依存して正しい値からずれることが分かった.このずれは時間刻みの二乗に比例しており,系の大きさを大きくしても解消されないことも分かった.シミュレーションの結果だけでなく,解析的にもずれが生じることを示す.このようなずれはアルゴン流体に限らず,能勢・フーバー法を使う全てのシミュレーション結果で生じることが分かった.どの順序で時間発展演算子を演算するとよいのかも示す.

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