抄録
標準モノクロメータから得られる37 keV以上のX線は、Si(311)回折やSi(511)回折によるものであり強度が弱い。37 keV以上のX線を用いたCT測定の測定時間を短縮するために、強度が強いSi(111)回折で高エネルギーX線が得られるモノクロメータをBL28B2に準備して実験を行った。モノクロメータ結晶には非対称反射のシリコン結晶を準備し、X線の強度を重視して迅速な測定を目指した。83 keVのX線を用いて断面が1.5 mm × 1.5 mmの鉄鋼材料中のき裂や介在物を観察することができた。