オレオサイエンス
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特集総説論文
エマルションゲル化法を用いた機能性ゲルの開発
徳山 英昭
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2018 年 18 巻 6 号 p. 275-279

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抄録

高分子ゲルの新規な構造制御技術であるエマルションゲル化法を開発した。本手法は,モノマーを含むプレゲル水溶液に不活性な微小油滴(例えば数μm)を分散させたoil-in-water(O/W)エマルションの水相を重合反応でゲル化させるものである。これにより,微小油滴を内包する高分子ハイドロゲルであるエマルションゲルが作製され,さらに油滴を洗浄除去することで球状の独立した孔を有する多孔質ゲルが得られる。これらの新規な形態のゲルの油滴または孔を分離・反応・貯蔵の場に用いる機能性ゲルの開発が期待され,筆者が開発した分離材や触媒担体としての応用例を紹介する。また,本手法に関連して,waterin-oil(W/O)エマルションの油相をゲル化させるW/Oエマルションゲル化法,およびマイクロカプセルを孔の鋳型に用いるサスペンションゲル化法の開発と応用について紹介する。

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© 2018 公益社団法人 日本油化学会
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