2015 年 79 巻 1 号 p. 12-18
北海道東部太平洋海域へ来遊するスルメイカの体サイズは長期的に変動をしていた.この変動は,資源量が変動した時期,そしてレジームシフトと同様の時期に起きた可能性がある.さらに,体サイズの変化は発生時期が変化した影響が指摘されている.本報告では,1965–2008年に標本を採集し,体サイズの変化を明らかにするとともに,1999–2008年について体サイズと発生時期の関係を調べた.体サイズは,1974–1988年に,それ以前および以後よりも大きくなった.スルメイカの体サイズは,来遊資源量の長期的な変化と同じであり,その時期はレジームシフトと同様の時期であった.1999–2008年の発生時期は11–4月にかけてで,2–3月が主体であった.さらに発生時期と体サイズの間には負の相関関係があり,体サイズの変化は発生時期が影響したと考えられた.