2024 年 80 巻 20 号 論文ID: 24-20006
2018 年に創設された「重要物流道路制度」の目的の一つは,物流生産性の向上であり,国際海上コンテナ車の通行条件などが「重要性」の指標に用いられている.しかし運ばれている貨物の価値については従来,数値化されることはなく,もっぱら推計交通量で「重要性」が検証されてきた.本研究では,既存の物流センサスと道路交通センサス,そして交通量配分用の道路ネットワークデータを用いることで道路リンク単位の金額値としての Value Flow を推計する手法を開発する.具体的には物流センサスから貨物の Value 値を推計し,道路交通センサスの B ゾーン OD 表でそれを按分する.推計された Value 値を確率均衡配分計算により,全国(北海道,沖縄県を除く)の道路リンク別の Value 値を算出する.