2024 年 80 巻 20 号 論文ID: 24-20004
北海道など積雪寒冷地では,冬期の路面凍結が車両のスリップ事故や旅行速度低下の原因となる.路面凍結対策として凍結防止剤散布が行われており,路面のすべりやすさを改善する効果(散布効果)が高い方法による凍結防止剤散布が望まれる.本研究では,塩化物系凍結防止剤の事前散布を対象に,連続路面すべり抵抗計測車(CFT)で計測された抵抗値(HFN)を換算した路面のすべり摩擦係数(μ)を用いて,散布方法の違いによる散布効果の比較を行った.その結果,本研究で実施した試験の範囲における限られた条件下での知見ではあるが,路面のすべり摩擦係数が低下したとき,排水性舗装区間では塩水散布が高い散布効果を得る傾向を示した.同様に,密粒度アスファルト舗装区間では固形剤散布が最も高い散布効果を得る傾向を示した.