日本呼吸器学会誌
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症例報告
Ex vacuo pneumothoraxを発症した膵癌癌性胸膜炎の1例
伊藤 光佑 平野 洋子宇山 和宏宇都宮 利彰松嶋 敦小畑 秀登
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2025 年 14 巻 5 号 p. 241-244

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抄録

症例は73歳男性.2型糖尿病,脂質異常症で通院中であった.前医で両側胸水を認め,当院を紹介受診した.精査の結果,膵癌に伴う癌性胸膜炎と診断した.胸腔ドレナージで胸水は排出されたが肺の再膨張は不十分であり,エアリークが出現したことからex vacuo pneumothorax(陰圧性気胸)と診断した.自己血による胸膜癒着術を3回施行後にドレーンを抜去した.癌性胸膜炎に対する胸腔ドレナージではex vacuo pneumothoraxの発症に注意が必要である.

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