日本呼吸器学会誌
Online ISSN : 2186-5884
Print ISSN : 2186-5876
ISSN-L : 2186-5876
症例報告
水気胸を契機に発見され,診断に難渋した胸膜中皮腫の1例
辻榮 克也 西垣 豊秋葉 裕二上田 将司八木田 あかり池田 まや
著者情報
ジャーナル 認証あり

2025 年 14 巻 5 号 p. 228-232

詳細
抄録

症例は70歳男性.右水気胸の精査加療で当科を紹介された.胸腔ドレナージ後に胸腔鏡下ブラ切除術を施行した.しかし高度癒着あり開胸にて右上葉および中葉部分切除を要した.病理検体では間質性肺炎,反応性中皮過形成の診断であったが中皮腫は否定できなかった.5ヶ月後のPET/CTから中皮腫が否定できないため病理所見を再検討し上皮様中皮腫の診断となった.手術は,年齢や低肺機能を考慮して根治的切除は困難と判断した.化学療法は間質性肺炎の増悪あり継続できず,免疫チェックポイント阻害薬は継続でき32ヶ月後に永眠された.

著者関連情報
© 2025 一般社団法人 日本呼吸器学会
前の記事 次の記事
feedback
Top