2025 年 14 巻 5 号 p. 228-232
症例は70歳男性.右水気胸の精査加療で当科を紹介された.胸腔ドレナージ後に胸腔鏡下ブラ切除術を施行した.しかし高度癒着あり開胸にて右上葉および中葉部分切除を要した.病理検体では間質性肺炎,反応性中皮過形成の診断であったが中皮腫は否定できなかった.5ヶ月後のPET/CTから中皮腫が否定できないため病理所見を再検討し上皮様中皮腫の診断となった.手術は,年齢や低肺機能を考慮して根治的切除は困難と判断した.化学療法は間質性肺炎の増悪あり継続できず,免疫チェックポイント阻害薬は継続でき32ヶ月後に永眠された.