2025 年 14 巻 5 号 p. 237-240
症例は72歳女性.慢性閉塞性肺疾患(COPD)で近医加療中に喀血し,心不全と貧血の合併もあり紹介入院となった.心エコーで高度の肺高血圧症が疑われ,CTでモザイクパターンとエアートラッピングを認めたが,肺高血圧の原因確定には至らず転院となった.転院先での造影CT,右心カテーテル,肺換気血流シンチグラフィで慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)と診断された.CTのモザイクパターンに加えて,COPD病期と不釣合な肺高血圧症を認める場合は,CTEPHを疑う所見となりうることが示唆された.