歯科材料・器械
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原著
ラマンマイクロプローブによる樹脂, 象牙質界面層の組成分析
加藤 裕正和久本 貞雄鈴木 正子
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1986 年 5 巻 2 号 p. 232-237

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抄録
10%クエン酸-3%塩化第二鉄水溶液で処理された象牙質に, 4-META含有MMA-TBB系レジンを応用すると, 接着界面層に耐酸性の増加した樹脂含浸象牙質が形成されて, 18MPaという大きな接着強さが得られることが中林らによって報告されている.従来より, SEMなどで形態学的に樹脂含浸象牙質が認められているが, 筆者らはさらに, ラマンマイクロプローブにより界面層の分析を試みたところ, 界面より象牙質側に約5μmの厚さで, 樹脂成分と象牙質成分が混在する層が確認され, 分子分光学的にその存在を立証することができた.しかも, 樹脂含浸象牙質では, 4-METAの多くは4-METに変化し, かつそれらが濃縮していることが推測された.
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© 1986 一般社団法人 日本歯科理工学会
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