抄録
シミュレーション法のスケジューリング問題への適用については, ディスパッチングルール中心の研究開発が盛んに行われてきた.しかしながら, 納期重視型の生産スケジューリング問題においては, 従来のディスパッチングルール依存のシミュレーション法は, シミュレーションそのものがフォワード型であるため, 原理上そして技法上限界がある.本報文では, 納期重視型の生産スケジューリング問題に焦点を絞り, シミュレーションベースの新技法(バックワード/フォワード・ハイブリッドシミュレーション法)を提案し, 従来技法と性能比較することによりその有効性を示す.なお, 性能比較するにあたっては, 5機械単純ジョブショップ過程モデル上での性能比較だけではなく, 現在現実に稼働中のシミュレーションベースのスケジューリングシステム上での性能比較をも行い, 提案の新技法が従来法よりも優れた性能を有することを示す.