総合健診
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日本総合健診医学会 第45回大会
日本総合健診医学会 第45回大会・特別企画 どうなる?! 専門医制度
予防診療専門医(人間ドック健診専門医)の歴史と今後
山門 實
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ジャーナル オープンアクセス

2017 年 44 巻 3 号 p. 505-510

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抄録
 人間ドック健診は生活習慣病などの疾病の発症予防・重症化予防を行う予防診療であり、人間ドック健診担当医には国民に信頼されるための専門性が要求される。日本病院会は1999年より質の高い人間ドック健診を国民に提供することを目的に「人間ドック認定指定医」制度を発足した。その後、日本総合健診医学会は2004年に「総合健診専門医」制度を発足した。一方、日本人間ドック学会は独自に「人間ドック認定指定医」制度を継続し、2006年より発展的に「人間ドック認定医」制度に改組、現在もその制度を継続している。また、2009年より「人間ドック専門医」制度も新たに発足させた。その後、専門医制度は日本専門医機構を中心に変革が求められ、その対応として両学会の専門医制度は合同されて、2012年より「人間ドック健診専門医」制度が新たに発足した。2017年4月1日現在、専門医1,737名、指導医1,073名、研修施設380施設であり、認定医は5,240名となっている。
 一方、日本専門医機構が2016年より新体制となり、新たな対応が必要となった。現時点では人間ドック健診専門医は「未承認、基盤学会のないもの」に区分されている。このため、まずは新機構ならびに基盤学会より、サブスペシャルティ領域としての承認を得なければならない。前機構の見解は人間ドック健診は診療領域ではないとのことであったが、予防診療(人間ドック健診)は診療領域であり、専門医として位置づけられるものと考えており、新機構の専門医制度新整備指針に準拠した「理念と使命」、「研修カリキュラム」、「研修プログラム」の作成をすでに終了させ、ヒアリング待ちである。課題としては、基盤となる基本領域学会が必要であるか否か、必要であるならどの学会にアプローチすべきかといった問題が挙げられる。
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© 2017 一般社団法人 日本総合健診医学会
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