総合健診
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調査報告
MRI検査に関わるインシデント・アクシデント事例からみる再発防止策の策定に関する検討
石川 雅彦斉藤 奈緒美
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ジャーナル オープンアクセス

2014 年 41 巻 3 号 p. 434-438

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抄録
【目的】健診・人間ドック(以下、健診等)では、MRIによりさまざまな検査が実施されており、MRI検査におけるインシデント・アクシデント発生防止は、健診等における安全管理と質の向上に極めて重要である。今回、MRI検査に関連して発生したインシデント・アクシデント事例の発生要因と再発防止について検討した。
 【方法】日本医療機能評価機構のウェブサイト掲載の公開データ検索を用いて抽出された、MRI検査に関連して医療機関で発生した事例76例を対象として、発生要因と再発防止について検討した。
 【結果】事例発生内容は、MRI検査前では、転倒・転落、磁性体持ち込み、アナフィラキシーショック、検査中では、熱傷、転落、心停止、磁性体持ち込み、検査後では撮影部位・方法・タイミングの誤り、熱傷、検査未実施・重複実施、検査結果読影忘れ、心停止、輸液ポンプ未装着による状態変化、等が挙げられており、様々な改善策が策定されていた。
 【考察】MRI検査には複数の職種・職員が関与し、様々なエラー発生が懸念され、単一の職種や個人の努力のみでは再発防止が容易ではない。特に健診等におけるMRI検査に関わる職員間、患者(家族)との情報伝達、情報共有によるエラー防止は事故発生防止に極めて重要で、発生の根本原因を明らかにし、対策立案と実施を行うというMRI検査の業務プロセスのシステム整備が必要である。
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© 2014 一般社団法人 日本総合健診医学会
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