抄録
本研究の目的は、支持的個人面接を中心とした健康教室が、参加者の教室定着率、心理プロフィール、身体活動量にどのような影響を及ぼすのか検討することである。
対象者は、豊後高田市在住の40~69歳までの中高年者56名で、運動習慣群30名(EH群)と非運動習慣群26名(S群)に分けた。教室の時間は90分、頻度は月に1回、期間は6ヶ月間である。教室では約10分間の個人面接と自宅でできる運動の指導を行った。面接では運動や食生活の問題点を検討し、担当者は対象に支持的に接し、自己評価の際には日常の心配に応え、ポジティブなフィードバックを中心に行い、否定的な言動を少なくするように心掛けた。
参加率および目標達成度はEH群が78.3±21.1%、3.5±0.9、S群が84.0±18.5%、2.8±0.9であった。体重、BMI、体脂肪率、腹囲が両群共に教室後に有意に減少した。平均歩数はS群が教室終了時に有意に増加した。Profile of Mood State (POMS) ではEH群の疲労が教室後で有意な低値を示し、S群では抑うつ、怒り、疲労が低値を示し、活気が高値を示した。支持的個人面接は、教室への定着率を高め、身体計測値や精神健康度に影響を及ぼすことが示された。