園芸学研究
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土壌管理・施肥・灌水
かん水同時施肥栽培におけるコーンスティープリカーおよびメタン消化液の利用がメロンの生育および収量に及ぼす影響
中野 明正上原 洋一
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2003 年 2 巻 3 号 p. 175-178

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抄録
化学肥料を基肥として用いる無機基肥区,液肥用化学肥料を用いる通常のかん水同時施肥区(無機養液区)および有機性液肥を用いる有機養液区の3処理を設定してメロンを栽培し,生育と果実品質に及ぼす影響を検討した.有機養液区にはCSL(実験1)とメタン消化液(実験2)を用いた.液肥用メタン消化液には酢酸を添加し,リン酸やカルシウムなど肥料成分を可溶化した.実験1では3処理区中CSL区の収量および可溶性固形物含有率が最も低かった.CSLのみを液肥として用いる有機養液土耕はメロンの栽培法として問題があると考えられた.実験2では,通常の栽培とほぼ同等の収量および可溶性固形物含有率の果実を得ることが示された.これは,メタン消化液の窒素成分の70%が無機態窒素であるため,初期の肥効が確保され,初期の生育が良好であったためと考えられた.
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© 2003 園芸学会
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