抄録
大腸ポリープ14例に対し経内視鏡的Nd-YAGレーザー接触照射を行った.症例は高周波ピースミールポリペクトミー後の残存ポリープ8例,扁平隆起性病変4例,有茎性ポリープ2例である.前者12例は照射前の病理組織学的な検索にて腺腫または粘膜内癌であったためポリープの完全消失を目的として,Endotipにて照射を行った.なお,照射条件は基礎的検討として直腸粘膜に単発照射を行い,その組織学的検討の結果15W,1秒とした.有茎性ポリープの2例は高周波ポリペクトミーでは漏電のため腸管損傷が危惧されたため,茎の切断を目的として照射を行った.照射は初めに出血予防のためEndorod with wide divergenceにて茎を凝固した後,Endocutterにて切断し,ポリープの回収を行った.ポリープは全例に完全消失を認め,再発および合併症は認めなかった.本法は高周波ポリペクトミーが困難な大腸ポリープに対し有用かつ安全な方法と思われる.