日本看護研究学会雑誌
Online ISSN : 2189-6100
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最新号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 応答を探ることに注目して
    武田 ひかる
    2025 年 48 巻 2 号 p. 2_67-2_80
    発行日: 2025/07/20
    公開日: 2025/07/20
    [早期公開] 公開日: 2025/05/23
    ジャーナル フリー

    目的:急性期病棟において,意識障害が持続する患者の応答を探る看護師の実践に注目し,その成り立ちを明らかにする。方法:現象学的研究デザインを採用し,脳神経外科・脳神経内科病棟に勤務する看護師1名の実践に同伴して参加観察とインタビューを行った。結果:患者の応答を探る実践について4つのテーマ,その背景として3つのテーマが明らかになった。結論:看護師の実践は,患者の反応や身体に関心を引き寄せられ,微細な変化に応じることで成り立っていた。私と患者との間で生じる「エピソード」は,患者の応答を得ることや,他のスタッフの経験したことを尋ねるという交流を促進しており,客観的な評価にとどまらず,患者との関わりの経験を共有することの重要性が示された。

  • 大村 由紀美, 松本 智晴, 前田 ひとみ
    2025 年 48 巻 2 号 p. 2_81-2_90
    発行日: 2025/07/20
    公開日: 2025/07/20
    [早期公開] 公開日: 2025/05/16
    ジャーナル フリー

    目的:看護教育者のコンピテンシー自己評価尺度(CNE Competency Scale)を作成し妥当性と信頼性を検証する。方法:文献より抽出したコンピテンシー項目について,病院における看護教育経験者により内容妥当性と表面妥当性を評価し尺度原案60項目を作成した。全国400床以上の214病院の看護教育者501名に質問紙調査をした。尺度の妥当性と信頼性を分析した。結果:分析対象は301名で,因子分析の結果,【教育者に適した個人特性】【教育活動の計画と評価】【周囲に働きかけるスキル】【学習者に合わせた教育の実践】【生涯学習の支援】【研究成果の創出と活用】の6因子34項目となった。尺度のモデル適合度は概ね良好で高い収束的妥当性,既知グループ妥当性と信頼性が示された(α係数 .95)。結論:妥当性と信頼性が確保されたCNE Competency Scaleが作成できた。

  • 大島 亮, 綱嶋 里枝子, 土肥 眞奈, 叶谷 由佳
    2025 年 48 巻 2 号 p. 2_91-2_100
    発行日: 2025/07/20
    公開日: 2025/07/20
    [早期公開] 公開日: 2025/06/13
    ジャーナル フリー

    目的:Voluntarily Stopping Eating and Drinking(VSED)を選択した患者・療養者に対する看護職の経験と葛藤の実態を明らかにする。方法:全国の機能強化型Ⅰ・Ⅱ訪問看護ステーション687事業所と緩和ケア病棟452病院の看護職を対象に質問紙またはWEB調査を実施した。結果:1,580名(有効回答率33.1%)の回答のうち,VSEDを知っていた看護職は22.5%で,対応経験があったのは18.9%であった。その中でも,65.8%がVSED選択者への対応に葛藤を感じ,葛藤と認定看護師資格,思ったことをお互いに伝えやすい職場環境の間に有意差がみられた。所属間で対応経験に有意差はなかった。結論:日本において在宅医・緩和ケア医より看護職はVSED選択者への対応経験が少なく,VSEDに関するガイドラインおよび倫理規定が未確立な現状では,看護職の葛藤への支援として,自身の感情表出,共有を目的としたカンファレンスの機会を設ける必要がある。

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