2025 年 29 巻 1 号 p. 7-14
軌道設備の維持管理は,保線技術者が現地に出向き,目視や寸法測定等により行われているため,保線技術者にとって大きな負担となっている.そのため,近年急速に進化している計測技術や画像処理技術を活用して,維持管理業務を効率化することが求められている.そこで本研究では,トロ台車に搭載したプロファイルカメラ(3Dカメラ)でレール頭部と軌間内の画像データを取得し,画像データからレール遊間とスラブ軌道における突起コンクリート周辺てん充層に生じた隙間を測定するアルゴリズムを提案した.さらに,新幹線の保守基地線および営業線において,トロ台車を走行させながら画像データを取得して提案したアルゴリズムを適用し,現地における実測値と比較した.その結果,レール遊間は0.5mm程度,突起コンクリート周辺てん充層の隙間は1mm程度の精度で測定可能であることがわかった.