2025 年 29 巻 1 号 p. 187-194
現在,分岐器を構成する部材について鉄道構造物等設計標準・同解説 軌道構造に則った照査を行う場合には,一般軌道のレール締結装置の輪重・横圧の設計作用を用いることとされている.しかし,ポイントやクロッシングの乗り移り部で衝撃的な輪重・横圧が生じているにもかかわらず,分岐器構造を考慮した設計作用は設定されていない.そこで,分岐器構造を考慮した設計作用の算定方法を確立するために,分岐器内で発生する輪重・横圧の推定式を検討することとした.具体的には,マルチボディダイナミクスを用いた分岐器走行シミュレーションを用いて分岐器内で発生する輪重・横圧を算定した.また,ポイントで発生する輪重の最大値を目的変数,分岐器番数,車両重量,走行速度を説明変数とし,重回帰分析を行い,求めた推定式を用いてポイントで発生する輪重を算定したところ,実測値と一致する結果が得られた.