鉄道工学シンポジウム論文集
Online ISSN : 2759-1492
鉄道工学シンポジウム論文集
論文 携帯電話位置情報を用いた災害時における都道府県間流動量の変動分析
山幡 信道金子 雄一郎
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2024 年 28 巻 1 号 p. 34-41

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抄録

 都市間の幹線交通機関を利用した旅客流動は,自然災害や悪天候等による運休や欠航,輸送障害などの影響を受けるが,その実態は十分把握されていない.本研究では,まず近年の台風や大規模地震等の災害発生時における新幹線の運行及び航空の運航状況を,当時の報道や既存の交通統計等を基に整理し,新幹線の運休期間に一定程度の移動が航空によって代替されていたことを確認した.次に携帯電話位置情報を基にした人口分布統計であるモバイル空間統計を用いて,自然災害等の事象が発生した際の新幹線の運休や航空の欠航による都市間の旅客流動への影響を分析した.さらに当該事象を含む一定の期間を対象に滞在人口を目的変数とする重回帰モデルを構築してパラメータ推定した結果,新幹線の運休が滞在人口の減少に寄与していたことが示唆された.

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© 2024 公益社団法人土木学会
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