鉄道工学シンポジウム論文集
Online ISSN : 2759-1492
鉄道工学シンポジウム論文集
論文 分岐器の高速通過時において軌道変位が車両運動に及ぼす影響に関する検討
塩田 勝利宮下 綾乃園田 佳巨
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2024 年 28 巻 1 号 p. 108-115

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抄録

 旧国鉄では分岐器の基準線側を最高速度120km/hで通過する高速用分岐器において,高低変位,通り変位,水準変位の整備基準値が高速用分岐器以外の分岐器と比べ厳しく設定されていた.この値は分岐器における速度向上試験時に継目やクロッシングで発生した著大横圧の対策の一環として設定されたものであるが,当該箇所は個別の対策が実施されており,それを鑑みると軌道変位の整備基準値は必要以上に厳しい値である可能性がある.そこで技術的根拠に基づく整備基準値の設定に向け,本研究ではMBDを用いて高速用分岐器における軌道変位が車両運動に及ぼす影響に関する検討を実施した.具体的には,軌道変位に関するパラメータスタディを実施し,現行の整備基準値内であれば影響は小さく余裕があることを示すとともに,各軌道変位の許容できる限度を明らかにした.

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© 2024 公益社団法人土木学会
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