抄録
化学分野の技術を開発する大型プロジェクトは,機械や電子などの他の分野に較べて,科学的な知見を得るための基礎研究が重要であり,このような基礎研究を実際の生産活動,及び,製品開発などの開発研究に結び付けるために,産学が連携して研究開発を行う場合が多い。また,資源の枯渇や不足に対応するために行うプロジェクトの運営は,社会状況の変化や技術開発の進捗状況などを考慮に入れる必要があった。このようなプロジェクトのマネジメントに関する課題を克服するためには,「需要表現」概念によるマネジメントが重要となる。本研究では,過去に行った幾つかのプロジェクトについて,需要表現の概念に基づいて評価,分析を行った。その結果から,このような大型プロジェクトがどのようにマネジメント,及び評価されるべきかということについて提言を行った。