研究 技術 計画
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米国における日本企業の研究開発の国際化
岩田 智藤末 健三黒川 晋
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2003 年 16 巻 1_2 号 p. 59-70

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抄録
本研究においては,アメリカにおける日本企業の海外研究開発拠点へのアンケート調査に基づいて,アメリカにおける日本企業の研究開発の国際化の概要と研究開発成果を中心に分析した。アンケート調査は,1999年1月に行い,アメリカにおける530社に発送し,87社から回答を得た。アンケート調査の結果に基づき分析を行ったところ,1)研究開発資源の日本親会社から米国研究開発拠点への流れは,米国研究開発拠点の研究開発成果にほとんど影響を及ぼさない。2)現地の研究開発が本国親会社よりも優れた研究開発成果を生み出すためには,現地の研究開発資源をより多く蓄積することが重要である。3)単に研究開発資源を日本から移転・蓄積するだけでなく,それらをミックスし変容をさせることによって,海外研究開発拠点独自の研究開発成果(資源)を生み出すことが重要である。4)成功企業に日本親会社と米国子会社の間でグローバル・シナジーがより多くみられた。5)アメリカにおける研究開発の展開について,「縮小」や「撤退」の企業は少なく,応用研究や開発研究では「拡大」の企業が最も多くなっており,今後アメリカにおける日本企業の研究開発は進展すると想定される。
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2003 研究イノベーション学会
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