2016 年 26 巻 2 号 p. 349-352
原発性気管腫瘍に対して気管管状切除術を施行された症例に対する呼吸リハビリテーション(以下,呼吸リハ)を,運動療法以外の観点から行った.術後喉頭機能障害のため嚥下障害を認めたが,誤嚥性肺炎を予防することを目的に,実際の食事場面での嚥下評価,嚥下指導を行い,頸部のコンディショニング・浮腫に対するアプローチ(以下,浮腫療法)を施行した.さらに,術後の喀痰喀出,咳嗽に対する理学療法(以下,PT)介入を行った.運動療法以外の術後機能回復に向けたPT介入により,大きな合併症を起こさず,円滑に日常生活に復帰することができた.