日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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シンポジウムⅡ
呼吸リハビリテーションの導入,実施,維持における障壁となる因子
若林 律子
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2005 年 14 巻 3 号 p. 353-356

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抄録

呼吸リハビリテーションの実態は,わが国では欧米諸国と比べて著しく異なっていることが指摘されている.チーム医療としての呼吸リハビリテーションが確立されておらず,また,包括的なプログラムとなっていないことが問題であった.最近になり,わが国でも呼吸リハビリテーションのステートメントが発表され,運動療法マニュアルの出版に至った.コメディカルの関心も著しく高まり,スタッフの不足,スタッフの知識・情報不足などの施設での障壁因子は改善の方向にある.呼吸リハビリテーションの内容項目は「ハード」と「ソフト」に分類され,両者に障壁因子が発生しうる.わが国では,呼吸リハビリテーションの対象者の多くは高齢者であり,呼吸リハビリテーションを維持していくうえでは,ゴールが設定しにくく,障壁因子が途中で発生することも少なくない.本稿では導入から在宅において呼吸リハビリテーションの維持に関して障壁となる因子を解明し,わが国独自の呼吸リハビリテーションのあり方を検討した.

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© 2005 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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