2018 年 21 巻 6 号 p. 704-708
背景・目的:急性期脳梗塞の頭部単純CT像における早期虚血変化(early-ischemic changes;EIC)の読影には熟練を要する。われわれは頭部単純CT像に,逐次応用再構成法(IR応用法)を適用し,EICの検出向上に有用か否かの検討を行った。方法:頭部単純CT像をFBP法およびIR応用法で再構成した。対象は超急性期脳梗塞例9例。両法についてASPECTS領域分類を用いて視覚評価した。観察者は脳神経外科医2人。検討方法は,単純CT像と同時期に撮影された拡散強調画像の高信号域に対する,FBP法およびIR応用法のEICのASPECTS領域数を比較し,EIC検出率を評価した。CT装置はAquilion ONE TM(キヤノンメディカルシステムズ株式会社)。結果:IR応用法を用いることによりEICの検出率が向上する傾向であった。結論:本法は,脳神経外科医が観察者である場合,EICの検出向上に有用である。