2025 年 81 巻 5 号 論文ID: 24-00044
自動運転レベル4に対応したモビリティサービスの実現に向け,様々な検討や実証実験が取り組まれている.車両の「運転操作」の自動化および運転主導が機械から人に切り替わるシーンに関する既往研究は多数あるが,モビリティサービスのとしての成立を見据えた,運転士の運転以外の業務も含めた自動運転時代の展望や課題が明らかになっていない.そこで本研究では,バス事業者へのヒアリングを通じ,現在のバス運転士の業務を可視化し,自動運転時代への展望を考察した.その結果「運賃収受」は運転士の業務負担軽減という点で期待値が高いことがわかった.また,「案内」や「事故対応」などの業務については,遠隔地係員と現地係員の役割分担について,運転士の負担軽減や自動運転時代に備え,今後,本格的に検討する余地があることが明らかになった.