2024 年 80 巻 8 号 論文ID: 24-00030
放射性廃棄物の地層処分施設の設計検討では,建設・操業段階から閉鎖後長期にわたって生じ得る現象を考慮した力学挙動評価が求められる.このような背景のもと,長期力学解析コードMACBECEの開発を進めている.本研究では,廃棄体の発熱や地下水による再冠水などの過渡的な現象を考慮できるように,不飽和土の弾塑性構成モデルや,熱伝導/浸透流解析との連携機能を導入することで,過渡期から長期まで一貫して評価できる解析コードを構築した.そして,幌延深地層研究センターにおける原位置試験の再現解析を実施し,計測データとの比較・分析により妥当性を確認した.その結果,二次元解析の制約による乖離が一部みられるものの,機能拡張した解析コードは計測データを良好に再現できることがわかった.