土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
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橋梁に39年間使用した接着系あと施工アンカーの耐荷性能
張 広鋒山本 一貴石原 陽介林 大輔原 紘一朗
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2024 年 80 巻 8 号 論文ID: 23-00251

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抄録

 長期における接着系あと施工アンカーの耐荷性能に関する基礎資料の収集を目的に,首都高速道路の橋梁から撤去された施工後39年経過したポリエステル樹脂を用いたあと施工アンカーの載荷実験および耐荷性能の検討を行った.アンカーボルト単体や群効果の引張実験での破壊形態は樹脂とコンクリートの界面の付着破壊もしくは付着破壊とコンクリートのコーン破壊の複合破壊であり,最大荷重は既設アンカーと同等な新設アンカーの実耐力や付着耐力の計算値(部材係数考慮なし)よりも低いことを確認した.ただし,最大荷重は施工当時の設計に用いた付着耐力の設計値を大きく上回っており,設計上の耐荷性能を確保できていると考えられる.

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