2024 年 80 巻 22 号 論文ID: 23-22003
建設現場の働き方を改革するための抜本的な対策が期待されている.その対策として,現場内の動きを数値化して労働生産性を評価する手法は有効である.本研究では,まず現場技術者へのヒアリング調査に基づき,施工管理の5つの要素であるQCDSEにおける注目ポイント(技術者は現場のどこを注視しているか)を洗い出して系統的に整理し,施工管理指標として数値化(KPI)できることを示した.次に,QCDSEのうちD(工程)とS(安全)に着目し,建機の稼働率や危険リスクを可視化するシステムを構築してダム現場への適用を図った.現場技術者の視点からシステムの運用効果を評価した結果,現場技術者の管理作業を省力化できることやこれまで見逃していた事象が抽出できることが明らかとなり,開発した施工マネジメントシステムの有用性が確認できた.