抄録
小松らが開発した6-point schemeは特性曲線法に基づく手法で1次精度であるが, 高精度で移流計算を行うことができる. 特にガウス分布などの極値の再現性に優れている. 一方, 様々な勾配の値を含む半楕円分布の再現性には改良の余地がある. 本論文では小松らの6-point schemeの誘導の概念に従い, 3次精度および4次精度の6-point schemeを提案する. これを特性曲線形式高次精度6-point schemeと呼ぶ. また数値振動の発生を抑制するuniversal limiterを導入するためにスキームを保存形式に修正した. これを保存形式高次精度6-point schemeと呼ぶ. さらに朝位らが開発した物理的に意味のある極値と数値振動を区別するアルゴリズム (discriminator) の修正を行い, 高精度かつ高解像度数値計算法を提案した.