日本消化器内視鏡学会雑誌
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6年後に盲腸・上行結腸に限局して再発した同性愛者アメーバ性大腸炎の1例
藤井 久男畑 倫明石川 博文森田 敏裕小山 文一寺内 誠司榎本 泰三中野 博重西山 利正
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1997 年 39 巻 12 号 p. 2421-2426

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抄録
 アメーバー性大腸炎amebic colitisの再発の報告は少ない.アメーバ性直腸炎の治療6年後に盲腸に限局して再発したアメーバ性大腸炎1症例を報告した.患者は同性愛者と判明し,再感染の可能性が考えられた.最近,sexually transmitted disease (STD)としてのアメーバ性大腸炎が増してきて:おり,欧米と同様,大都市を中心に赤痢アメーバ症において同性愛者の占める割合は増してきていると推定される.とくに問診の困難性を考慮すると,同性愛者と確認できなかった場合も,再感染の危険性につき十分説明し,治癒後も定期検診を勧めるべきである.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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